12/3 夜 スーパー喜劇 狸御殿
無事なんとか、新橋演舞場に間に合いましたよ!ふー!
でも同じ移動をしてる歌舞伎ファンがたくさんいると見たね。
歌舞伎座から新橋演舞場まで、軽く民族大移動が起こって
ました(375年 ゲルマン民族大移動)
今回見たのは市川猿之助さんをエグゼクティブバイザーに迎え、
天性のコメディエンヌ藤山直美さんの喜劇とスーパー歌舞伎の、
超人気演目が合体した夢の演目「スーパー喜劇 狸御殿」です。
歌舞伎役者さんもたくさん出ていて、市川右近さんと直美さんが
ミュージカル風にデュエットで歌ったり、直美さんと市川猿弥さんが
宙乗りしたり、狸御殿での踊り比べがあったりと、とにかく歌舞伎と
喜劇のいいとこどり!って感じで、賑やかで笑えて楽しい舞台でした。
女優VS女形の対決も見物よ(笑)。
「このニセモノ女!」って言われてましたケド女形さん…!
いや~女形さんって歌舞伎で見てると女性に見えるけど、こうして
本物の女性と並ぶとやっぱり体つきとかが男の人なんだなって、
歌舞伎初心者ながら改めて思いました。
あらすじはこんな感じ。
森で怪我をして倒れていた若者・相馬織部(市川右近)を
助けた、狸御殿のきぬた姫(藤山直美)。
(上から読んでも下から読んでも、たぬきのきぬたです)
怪我の手当を通じて二人を互いに惹かれ合いますが、
人間が狸御殿にいることに反対する他の狸たち。
仕方なく、織部の狸御殿での記憶を消して、彼を人間界へ
戻します。しかし織部を想うきぬた姫は、彼が自分との記憶を
無くしていることを承知で、彼を追って人間の世界へ。
一方、相馬家では当主代行の織部の母卯月の方(藤間紫)の
様子に異変が。卯月を操るのは九尾の狐…?
きぬた姫を追って殿様や乳母、家老達も人間の世界へ…!
というわけで、お年頃(をだいぶ過ぎた)のきぬた姫の
ムコ選びの満月祭から、物語は始まります。
出ました!いっつしょーたいむ!
電飾付きの舞台に、絢爛豪華な衣装で
歌い踊る狸御殿の人々!
マイクを持って楽しそうにソロパートを歌う人もいれば、
薔薇をくわえてキザに踊るムコ候補の男性陣も!
狸娘たちもぴょんぴょん跳ねて可愛いし!
とにかく、キンキラ派手で賑やか!
そして頭上を見ると、天井に
ミ、ミラーボールがっ!!
新橋演舞場ってそういうところでしたっけ…?
もうこれはマツケンサンバかオペラ座のマスカレードです。
怪人の怒りでミラーボールが落ちてきても驚かないよ。
それともまだ見ぬ宝塚とかのノリが近いのかしら?
とにかく、祭のテンションが最高潮になった頃、満月を背景に
スポットライトを浴びて、きぬた姫こと藤山直美さんの登場です。
藤山直美さんは、笑いの呼吸の取り方がさすが!
アドリブもいっぱいあったようだけど(初めてだったから私には
あまりわからなかったけど、相手役の動揺の仕方から判断)
もっとオーバーアクション気味の芝居で笑いを取りに来るのかと
思いきや、それほど大袈裟という程でもなく。
でもこの芝居は笑いの種類としてはベタベタなものだから、
それくらいがちょうどいいのかもしれないです。
関西弁でポンポン言葉が出てくるのも、テンポ良かったし。
パワフルで一途な愛すべき、きぬた姫でした。
付き従う雅楽平役の市川猿弥さんとも、今回初共演だよね?
ってくらい、いいコンビっぷり。
最後は二人仲良く宙乗りで消えていきました。
相馬家の若君、織部役の市川右近さん。
お笑い系はどうなんだろ~?と思ってたのですが、ベタベタな
笑いを取るきぬた姫に対し、どこまでも真面目に答えようと
する姿が、逆にしれっとした感じで客席の笑いを取ってました。
今回きぬた姫とデュエットがあるんですが、なかなか歌もお上手
でしたよ!個人的にはリプライズとかで、もう一回ぐらい歌が
あっても良かったです。
歌とか踊りは、やっぱりミュージカル好きの血が騒ぐというか!(もう二人で「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」とか歌えばいいと思います)
あと織部は馬に乗って花道を歩くシーンが何回かあるんですが、
この織部が乗る馬も当然人間がやってます。
獅子舞の要領で二人がかりでそれぞれ前足と後ろ足を担当して
織部を乗せるんですが、後ろ足担当さんの背中がそのまま馬の
お尻部分になるので、このお馬、お尻がペッタンコ!
ふくらみというものがまるでない!えらく平らな尻のお馬さんでした…。
私も馬上の凛々しい織部さんを見ればいいのに、ついついLKの
シマウマと比べてどうなんだろう!とか見てるから…。
九重役の市川春猿さんは、きぬた姫たちというか藤山さん達に
素で笑わされすぎて、言葉が出なくなり、挙げ句に「もう!」って
感じでゴスッ!ときぬた姫を殴ってました。
で、でも殴る仕草も可愛いぞー。
そしてきぬた姫に「根性ババ色」と言われていた(今時懐かしい…)
白狐の市川笑也さん。きれー。
こんなに綺麗なのに、きぬた姫と小学生レベルの言い合いを…。
週2回のエステとネイルサロンは欠かさなかったり…。
きぬた姫に九尾の狐を倒す宝剣を渡すため、ちょっと出てきただけ
でも目を引きますね。
そう言えばこの、結局織部が使った宝剣。
鞘に入ってると装飾も豪奢で雰囲気があるのに、抜くとなんだか、
TDLのシンデレラ城ミステリーツアーに出てくる剣みたい…?
あの参加者の一人が選ばれて、悪を倒す時の剣ですよ。
や、なんか発光してるんだもん…。
カテコの時の笑也さん、狐のポーズ(影絵の狐の型)でした。
そして狐に取り付かれた卯月の方を演じた藤間紫さんの
迫力のすごいこと!だってこの人82歳だよ!!
何百年も生きたという九尾の狐、地でいけますね(コラ)!
狐に取り付かれた後の、べらんめえ口調と蓮っ葉な仕草が
何とも決まっていて、かっこよかった!台詞回しも切れがある。
最初に見せた織部の母で当主の代行としての格があるからこそ、
取り付かれた後とのギャップが良かったです。
見える…見えるわ!卯月の方の向こうに九尾の狐が!
その九尾の狐に仕える4人の狐のイケメンボーイズ。
4人のFOX…つまりF4です!!(それは花より男子では?)
クールなメイクに白地の衣装、狐の耳がぴょこんと頭から
生えてるんですが、結構長さがあるので、狐耳というより、
なんかかわゆいウサ耳状態に!!
敵役なのに、ちょっと萌えッ子キャラになってますよ!
九尾の狐様の趣味だろうか…?
聞くところによると、このF4(勝手に命名)たちは、OPの満月祭で
きぬた姫のムコ候補として、あの薔薇加えて弾けて踊ってる
方たちだそうで。(所謂アンサンブル)
ムコ候補の中に一人、明らかに馬鹿メイクした、シムケンのバカ殿
みたいな男の人がいたんだけど…え!このクールビューティな
F4の中にいるの?わ、わからない…!
織部と暮らしてるきぬた姫の元に、父である狸御殿の殿様や
家老達が追い掛けてきて、「帰ってこい!」「いや!」
「じゃあ親子の縁を~」云々の話のあたりは、典型的な
ホームドラマ風でした。
たまに「お江戸でござる」風にも見えました。
そして最後は無事九尾の狐を追い払い、
「光ある限りまた闇もある…。人間の心に闇がある限り、
私は何度でも蘇るだろう!わーはっはっは…(以下エコー)」
風なRPGでよくある終わり方。でも一応ハッピーエンドです。
きぬた姫は結局、織部と九重の仲を取り持つ形で自分は
狸御殿に帰っていきました。好き合う人たちは一緒にいるべき。
頑なに拒んでいた父の愛人の存在も、腹違いの弟も受け入れ
られる広く優しい心を持って、自分を待つ人々の元へ。
そして最後はまたみんなで、満月祭!
うーん派手で賑やかで楽しい演目でした。
もっと折角だから、普段歌舞伎でできないような歌とかダンスとかを
入れても面白いかも!(ミュー好きなので…)
スーパー喜劇第2弾が実現したら、また行きたいです。
歌舞伎のことわからないので、間違ってるところがあったら
教えて下さい…。
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コメント
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狸御殿、楽しかったですね~♪
直美さんには毎回「ベタやな~」と思いつつも
泣かされてしまいます。
mariさんのおっしゃてる婿候補のシムケン君は
ヅカメイクも真っ青なメイクしていた方かな?
だとしたら彼は女形さんなので萌えキャラF4には
入っていないんですよ~。
投稿: びび | 2005年12月 6日 (火) 20時17分
私も同じ日の昼に観劇してました~!
シムケン君て、国立で四の切が始まる前に
花道からお知らせに出てきた腰元さんだと
思われます(^-^)
「萌えキャラF4」って、花より男子のF4よりカッコイイと思います~♪
投稿: 秋喜 | 2005年12月 6日 (火) 20時29分
>びびさん
そうそう、一人だけスゴイメイクしてたムコ候補さんです。ひゃー!あのシムケン様は女形さんだったんですか!わ、わからないものですねー…。勉強になりました!
どうりでF4の中で見つけられないわけです…。
>秋喜さん
秋喜さんはお昼公演だったんですね!私は歌舞伎座にいました♪
ああ、あのちょっと面白い腰元さんですか?!もうちょっと腰元っぷりをしっかり見ておけば良かったです。今となればあのスゴイメイクのムコしか浮かばないです私…。
ウサ耳のF4,かっこよかったですよね!
投稿: mari | 2005年12月 6日 (火) 21時26分