ブラックコメディ初日 6/18

行って来ましたよ、「ブラックコメディ」初日。
自由劇場は「アスペクツ・オブ・ラブ」以来なんですが、
まず入り口の所で代表にコンニチワ。
…嘘です。私風情では挨拶なんてしてもらえません。
お偉いさんに挨拶してる代表を横目に見ながら中に入ると、
２階へ続く階段の途中で立ち止まって、ロビーを見下ろし
てるお客さんが沢山います。
たぶん初日だから、どんな客が来るのかとかを見てるんだと
思うけど、アレですよ。
なんかマスカレードのマネキンみたいになってるよ…？
今にもカクカク踊り出しそう。あ、ラウルも今日いるしね！

ブランズリー・ミラー　：石丸幹二
キャロル・メルケット　：坂本里咲
ミス・ファーニヴァル　：はにべあゆみ
メルケット大佐　　　　：岡本隆生
ハロルド・ゴリンジ　　：栗原英雄
シュパンツィッヒ　　　：川口哲史（劇団俳優座）
クレア　　　　　　　  　：八重沢真美
ゲオルク・ハンベルガー：高橋征郎（劇団民藝）

いや～面白かったです！笑いました！
石丸さんとか前髪下ろしてカワイイバージョンになってるのに
汗だくで水かぶったりして、もう散々な目にあってます。
時間は休憩無しで１時間半くらなんですが、出ずっぱりなんで
１公演で相当疲れるんだろうなー。

今夜、恋人の坂本キャロルと一緒に大事な二人の客を迎える、
無名の彫刻家石丸ミラー。
客の一人はキャロルの父、岡本メルケット大佐。
もう一人はミラーの彫刻に興味を持った大富豪の高橋ゲオルグ。
隣人の栗原ハロルドから無断で立派な家具を借り出したりして、
（いきなり犯罪）客を迎える体裁づくりに余念が無いミラー。

でも、そんな大事な日に停電がー！

冒頭の石丸ミラーと坂本キャロルのラブラブっぷりが可愛いです。
前髪下ろした石丸ミラーは、キャロルに「父さんを怖がりすぎよ」
って言われて「だって怖いんだもん！！」って。
…だもんってアナタ！そこは狙ってる所ですか？
そしてツボつかれてる私ですか？
坂本キャロルも「お嬢さん」って雰囲気のある可愛い女性。
なんだろ、キャピキャピしすぎない可愛らしさ？
さらっと際どいことも言うんだけどね。

そして、停電なわけです。
面白いですよーココから！
あ、書き忘れてましたが、停電前のシーンは実際は薄暗い
照明です。停電後は実際は皎々と明るい照明が点きます。
つまり、舞台上の明暗と実際の照明が真逆になってるんです。
役者さん達は停電前は薄暗い照明の中、何でも見えてるような
演技をして、実際明るくなった後は真っ暗闇の中にいる演技を
しなくちゃいけません。
たーいへーん。でもこれがおもしろーい！
客席から見たら明らかに明るい舞台の上で、石丸さん達が
蹴躓いたりへっぴり腰で恐る恐る歩いてたりしてるのが笑えます。
見えてるのに、見えてない演技。
きっと役者さん達は北島マヤが「奇跡の人」でやったのと同じ
特訓をしてるに違いないよ（断言）。
パンフ買ってないんで稽古写真とかもちろん見てませんけどね！

そんな大混乱と真っ暗闇の中、はにべファーニヴァルが
ミラー達の所に避難。キャロルとお互い見当違いの方向を向いて
「はじめまして！」と自己紹介のお辞儀。お約束だけど笑えるなぁ。
そこへさらに岡本メルケットと、旅行が帰りの栗原ハロルドも
やってきて。
くりはらさーん！！来たね、ＣＦＹ抜けてここに来たね！
オカマになって帰ってきたね（涙）！
でもザングラーよりは若い役だし、なんか似合ってると思う！
そう、合うんだわ栗原ハロルド。ちょっとねっとりした感じ？が
凄く上手い。なんていうかスカー役者はみんなハロルドが合うと
思う。スカーってちょっとアイメイクがオカマっぽいのもあるけど。
誰とは言わないけどシ○様とか○モ様とか合う絶対。
とにかくオカマな仕草と言葉遣いがとてもマッチする栗様ハロルド。
そしてミラーがキャロルと結婚することを知ってショックを受ける
栗様ハロルド（笑）。
彼を愛しているのかね…？（宋子明）
でも石丸ミラーはそんな切ないラヴには気づかず、ハロルドん家
から無断借用した家具が見つからないかとソワソワ。
ハロルドがマッチを点けようとするたびに、明るくなって家具が
見られちゃマズイ！と、ミラーがフッと息吹きかけて消火。
ハロルドが再度点けたらまた消火。点けるたびに消火。
最後にゃハロルドもキレるわそりゃ。
バレなきゃいーやとミラーは暗闇に乗じて、こっそり家具を
元のハロルドん家へ戻すことに。
立派な椅子が、元のミラーのボロボロの揺り椅子にすり替わっ
ちゃって、座ろうとした岡本メルケットがひっくり返って大コケ！
「椅子が揺り椅子にーーー！！」って絶叫が笑えます。

そこへさらにミラーの昔の恋人、八重沢クレアが暗闇に
乗じてこっそり登場。っていうかみんな暗闇に乗じすぎだよ！
クレアとか別に普通に来てもいいと思う！
クレアがすぐ側に来てる事を知らないハロルド達は、彼女は
まるでドラキュラ夫人みたいな女、とか言いたい放題言って
クレアにポカッと殴られてますが。
（そこで「何をするんだミラー！」「ボクは何もしてない！」
って展開はお約束）。
私は八重沢クレアはドラキュラ夫人って言うか、夏木マリに
似てると思ったよ？（フォローになってません）。

ミラーだけがクレアがそこにいることに気づいて、みんなを
ごまかしつつ、クレアを２階の寝室へ。
なんかミラーも満更ではない様子ですよ。
２階で物音がしたら、
ミラー曰く「家政婦さんだ」と。
そこで八重沢クレアが老家政婦のフリして婆さん声を出すの
ですが、これがまた上手かった。湯婆婆かと！
結局クレアが来てることも、ハロルドの家から家具を借用した
こともバレてキャロルやメルケット、ハロルドに追いつめられ
ていくミラー。
暗闇の中、逃げに逃げてる所へ、さっきからいた電気屋が
「ヒューズが直った」と。
今ココで電気が点いたら、ミラーはどうなるー？って所で幕が。

ちなみに高橋ハンベルガーの出番は一瞬ですのでご注意を。
暗闇の部屋の中に入ってきて、電気屋が出てきた地下への
通路にスポン！と気持ちいいくらいに落ちて、それだけです。
いかにこの地下オチを華麗に決めるか、そこがハンベルガーの
見せ場だと思われます。っていうか出番、１分もないよ…。

２幕もあると思ってたせいか、終わってみればあっと言う間
でした。私達には見えてる暗闇の中の様子が、面白いんです。
ミラーが家具を動かしてる時に音を立てちゃったりしたら、
部屋の反対側にいたキャロルが「あら、ごめんなさ～い」って
誤魔化したり。明らかに音の出場所違うだろう！みたいな。

そんな笑いがいっぱいあって、なかなか楽しめました。
役者さん達もみんなはまってて上手かったし。