「アイーダ」 1/6マチネ②
2幕は阿久津ラダメス、濱田アムネリス、五東アイーダの
3人が歌う「どうしたらいい」から。ハーモニーがとても
綺麗ですが、三者三様の苦しみが、なんだか切ないですね~。
特にアムネリスは何の事情も知らずに、ただラダメスの心が
離れていくのだけを感じてるだろうから余計。
その後にアイーダが歌う「人生の苦しみ」が、個人的には
「あの日は遠くに」と並んで濱田アイーダ堪能ソングです。
なんていうかもう…心地よいんだよね歌が。
もうずっと聞いていたい感じ。
なんか出てる。絶対あの歌声からなんか出てるよ!
私の中で歌が心地よいって思えるのは、高井ファントム、
芝チェ、濱田アイーダかな。
メレブの手引きで牢獄の父王アモナスロに会ったアイーダは
ラダメスとアムネリスの結婚式の隙に父を助け出し、エジプト
から脱出する計画を立てる。
一方ゾーザーもラダメスとアムネリスの結婚に障害になる
アイーダを殺すよう部下に命じる。
ヌビア人の収容所では、「ゲッバイヤー!ゲッバイヤー!」
言いながら、萩原ヌビアンが跳躍しつつ踊ってます。ほんと突然
叫び出すから正直びっくりします。
でもジャンプ凄いし、さすがはみんなの踊り子ゲッバイヤーです。
でもあの、ゲッバイヤーってどういう意味…?
アイーダを探しに来たゾーザーの部下の前で、今井ネヘブカが
咄嗟に「私がアイーダです!」って身代わりになるシーン。
最初人影に隠れてた濱田アイーダが、何を言うの!って感じで
前に飛び出そうとして脇坂ヌビアンに力ずくで止められて、口も
手で押さえられて、大暴れしてるところも泣けます…。
「貴方を犠牲にするわけにはいかないんです」って必死で止める
脇坂ヌビアンもツライ役どころですね。
ただ濱田さんと今井さんはだいぶ体格も違うので、ゾーザー部下は
お前何の下調べもしないで来ただろう!って感じですが。
アイーダと、アイーダ達の脱出の手はずを整えたラダメスが互いの
運命に殉じる覚悟を決めて悲しい別れを歌う「星のさだめ」。
そしてそれを物陰から見てしまったアムネリス。
「真実をみた」は、ただ立ち尽くして魂の抜けたような表情で歌う
五東アムネリスに侍女たちが次々に婚礼衣装を着せていくんだけど、
これがまた哀しいです…。全てを知りながら、婚礼に臨む姿が。
そしていよいよラダメスとアムネリスの結婚式。騒ぎに乗じて
ヌビア王アモナスロは船で脱出させるが、メレブは死に、そこで
初めてアイーダがヌビア王女だと知るラダメス。
逆にあー今まで知らなかったんだなーという気もするラダメス。
「剣は…側で声援送る方が得意」と言ってた有賀メレブなのに、
ここではアイーダを体を張って守って戦ってます。漢だ、メレブ!
しかしさらなる漢を見せつける、濱田アイーダ。
俺を利用したのか、全て嘘だったのか!と怒るラダメスに、
ヌビアの民を裏切れなかった、愛してると言った言葉に嘘はない。
迷いなし!
もうアイーダは王女というより女王だよね。アモナスロがちょっと
頼りない感じなので(「エジプト人めー」とか呑気に言ってて…さ)、
もうアイーダと王位交代したほうがいいと思う。
でもゾーザーも含め、ちょっとここドタバタしてる気がするんだなぁ。
結局捕まってしまったアイーダとラダメス。
裏切り者に与えられるのは刑は死刑。
ファラオに代わって判決を下すアムネリス。
「裏切り者をエジプトの砂の下に埋めよ。共に、一つの墓に。
我こそはイシスの神の娘、その命令である!」
アイーダもラダメスも劇中で変化していくけど、アムネリスの
変化が一番劇的だと思います。彼女の変化を考えれば、
自分ん家の私物をあげた程度ラダメスの変化なんて、変化の
うちに入らないのかもしれんですよ。
最初はお洒落とか楽しいことにしか興味がなかったのに、
舞台が進むにつれ、王女として、一国の指導者になっていきます。
「陛下、貴方は私に継がせなければならない」(だっけ?)から
「傷ついたのは私です。その私がいいと言ってるのです」までの
流れの五東アムネは、王としての威厳もあり、慈愛ある指導者と
しての表情もあり。
毒を盛られた父は間もなく死に、愛した人と心を許した友人は
自らの下した判決で死ぬ。本当にひとりぼっち。
でもその覚悟と、大切な人達の命を背負って女王として生きて
いくわけですね…セツナイ。
墓の中で闇に怯えるアイーダ。ヒシ!と抱き合う二人。
「100回生まれ変わっても、君を見つけだすよ、アイーダ」
ってココでのセリフだったんですね。
実際、古代エジプトの死生観だと再生復活が信じられていた
ようですし。ここで「儚い喜び(リプライズ)」をかすかな声で
歌うのが、また涙を誘います。
最後、ミストのライトマジックのように照明が当たっている部分が
どんどん小さくなっていくのが(他に言い方ないのか)、二人が
土の中で死んでいく様子のようで少し怖かったり。最後は闇に。
舞台は再び現代の博物館へ。
アイーダとラダメスの生まれ変わりと思われる男女を、女神の
ように優しく見つめ、「愛の物語」を歌うアムネリス。
二人は互いに何かを感じながら、一歩一歩近づいていく…。
ここで涙がじんわりきました~。
良かったね、って気持ちはきっとアムネリスとも同調してるんだと
思います。
カテコはゾーザー軍団のダンスもあって、楽しいです。
こういう楽しめるカテコって好きだなぁ。
役者さん達にはもちろん盛大な拍手が。スタオベしてる方も沢山。
濱田さんが有賀さんの頬を両手を包む劇中の仕草をここでも
やってて、そりゃ有賀さんが四季第二章で「頼れる姉のような
存在」と言うのも納得。姉弟みたいだー。
メインキャストさんもアンサンブルさんも気合の入った素晴らしい
舞台でしたが、その中でやっぱり濱田アイーダは凄かった。
あーでも阿久津さんも五東さんも有賀さんも脇坂さんも萩原さんも
みんな良かった!
楽間近で役者さんのテンションも高かったのかと思いますが、
本当に行って良かった!
帰ってからずっとCD聞いてます。でもやっぱり生の歌声が
聞きたいよ~!名古屋…日帰り…ブツブツ。
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コメント
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こんばんは、初めまして。
「ゲッバイヤー」は「get back」を土着風にアレン
ジした言い方、と大塚さんが京都アイーダのリハ見で
おっしゃられてました。
「祖国を取り戻すぞ!」という意味だそうです。
mariさんのレポを拝読して、ますます名古屋公演が
楽しみになりました(^-^)
投稿: ユキ | 2007年1月10日 (水) 00時29分
はぁーーーーーっ!堪能しました・・
観てないけど、観た気分。
ちょっと・・・これは・・かな~り観たい気分です、早く。
5月まで観劇貯金を増やすしかないです、これは。
心底観たくなっちゃうレポ、ありがとうございましたっ!
投稿: まみママ | 2007年1月10日 (水) 07時22分
最後のアムネリスのシーンが2人と見つめるシーン、大好きです。
私は3役ともmariさんとは違うキャストだったのですが
あのアムネリスの優しい顔を観てぼろぼろと泣けてしまいました。
カテコのゾーザー団ダンスかっこいいですよね。
音楽もきれいで照明も美しく大好きな演目の1つです。
投稿: さよ | 2007年1月10日 (水) 11時59分
ほんとに観たくなってきちゃいました~!!
前から観たいなぁーとおもっていたのですが結局なかなか行けないんで、レポ、めちゃくちゃ嬉しかったです♪濱田アイーダ、絶対観なきゃな!とか一人で燃えてます【笑】
投稿: キキ | 2007年1月10日 (水) 18時42分
>ユキさん
初めまして!コメントありがとうございます!
「ゲッバイヤー」は「get back」って言ってたんですかー!
てっきりLKで言うズールー語みたいにヌビアの言葉
なのかと思ってました…。情報ありがとうございます。
名古屋公演、私もすっごく楽しみです!
>まみママさん
観劇貯金、私はちっともたまらないのです…(笑)。
名古屋アイーダや大阪オペラ座など、今年は遠征の
ことも色々考えなくちゃ行けなくて大変です。
でもその甲斐のある舞台をたくさん見られたらなーと
思います♪
投稿: mari | 2007年1月11日 (木) 05時33分
>さよさん
ラストのアムネリスは本当に慈愛に満ちた表情を
していて、あそこで涙ぐんでしまいます…!
さよさんは違うキャストで見られたんですね。
だいぶ雰囲気が違ってきそうで、他のキャストさん
でも見たくなりました。
照明は本当に綺麗で、2階席から見てみたいとも
思いました。
>キキさん
私も見たい見たいって思ってるうちに、どんどん
日が経ってしまって…。でも遠征してまででも
このキャストで見られて本当に良かったです。
濱田アイーダは本当に素晴らしいですよ!
キキさんも名古屋で機会があったらぜひご覧下さい!
投稿: mari | 2007年1月11日 (木) 05時37分
すれ違いでしたねぇ。しかしまさか本当に
この時期に遠征するとはと思いましたが
(名古屋もあるし)
この楽週の福岡アイーダは末代まで語り継がれる
ものすごい舞台だったので、mariさん来て正解でした。四季はみたいときにみるという方向でないと
次はみれるかわかんないですもんねー
投稿: 静馬 | 2007年1月11日 (木) 23時16分
>静馬さん
福岡アイーダをずっと見てきた静馬さんに正解だと
言われるとなんか嬉しいです。名古屋公演発表後に
敢えて福岡に行ったのは、やっぱり公演回数が
増えるに連れオリジナルキャストが見られなくなるし
どうしても最初は濱田アイーダで見てみたくって。
本当に熱い舞台ですっかり名古屋にも行きたくなり
ましたが、博多で餃子と水炊きを食べ損ねたので、
今度福岡遠征の際はぜひまたご挨拶させて下さい!
投稿: mari | 2007年1月13日 (土) 12時08分
やっぱりアイーダは最高ですな!!
五東アムネリス、最初はブリブリブリッコなのに(あの「ラダメスゥ~」という呼び方・・・)、最後は王の威厳が出てて、たまらないよね!
アムネリスこそがセツナスな運命だよなぁ・・・。
あぁ~~~またハマーダの歌声が聴きたい!
投稿: YUKA | 2007年1月13日 (土) 22時39分
>YUKAさん
ほんっっと最高だよハマーダ!
五東アムネの最後も、威厳ありつつ優しさも見える
ところが切なくてたまらない…!結構アイーダより
アムネリスに感情移入しちゃってたかも…。
名古屋、行っちゃいますかー!
投稿: mari | 2007年1月14日 (日) 12時25分