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皆川博子「総統の子ら」

2段組みで600ページを超える超大作。ボリュームも凄いけど話も重い!
でもつい読み進めてしまう…。大好きな皆川博子さん渾身の大河小説です。

ユダヤ人虐殺の加害者として描かれることの多かったナチスのエリート養成学校に
入学した少年カールとエルヴィン、二人の憧れのSS将校ヘルマン。
物語はこの3人を中心に、彼らとドイツの歩んだ歴史が著者の膨大な量の調査の
元、淡々としかし重厚に時に残酷に描かれます。

輝かしい希望と祖国への強い愛に溢れ、友と心身を鍛えあった青春時代を描いた序盤。
ヘルマンを憧憬の目で見ていたカール自身が、多くの少年たちの憧れの兵士となり、
死と隣り合わせの戦争に明け暮れた中盤。
戦局の悪化、収容所生活を経て、戦後戦争犯罪者としてドイツの罪を負って裁かれるラスト。

ユダヤ人に対して行った行為は許されることではないけど、友を、家族を、故郷を
守るために戦ったカールのような少年たちは、なぜ、いかにして戦争犯罪者として
戦勝国に裁かれたのか。
イギリスやフランスが行った植民地政策は、パルチザンや連合軍がドイツ軍に行った
リンチや捕虜以下の扱いは人道的犯罪ではないのか。
そんな多くの疑問や怒りもあるだろうけど、戦争そものに疑念を抱かなかったのと
同様、カールはブレない。部下を守るためにできることだけをする。その鋼の心を
支えていたのはやはり、ナポラで学んで過ごした日々なのかなぁ。
日本もまた第二次世界大戦の敗戦国で、終盤は色々考えてしまうよね。

歴史は勝者が作る。その陰には多くの名も無い、ただ信じたもののために戦った
人たちがいて。それを後世を生きる私たちが分析するでも検証するでもなく、
ただ未来からその時代を懸命に生きた人達を一方のみが悪だと決めつけることは
できないのかもしれないなと改めて思いました!

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