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皆川博子「双頭のバビロン」

爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。オーストリア貴族の血を引く双子、ゲオルグとユリアンは
結合双生児という秘密故に、切断手術後は切り離されて育てられる。
ゲオルグは一族の正当な跡取りとして、その半身ユリアンは存在を抹消された誰でも
人間として。
後に映画監督して成功していくゲオルグと、施設で盟友ツヴェンゲルと穏やかに過ごす
ユリアンの精神は、互いに触れあい、浸食し、交錯していくように。そして彼ら自身の
運命もまた収束していく…。
動乱の1920年代、野心と欲望が狂奔する聖林と、鴉片と悪徳が蔓延する上海。二大
魔都を舞台に繰り広げられる、壮麗な運命譚(グランドオペラ)。

まさに運命譚!グランドオペラ!ほんと皆川先生のお話は凄いなー。
上限段組みで538ページの壮大な双子の、そしてその双子の運命に関わるツヴェンゲルの
物語。
ゲオルグとユリアン、さらにパウルの視点から物語は語られ、しかも双子は互いの
精神と記憶が交錯しているのでたまにどっちがどっちなんだかわかんなくなりますが、
終盤、無駄なく張られていた伏線が収束し回収されていく(ツヴェンゲルが助監督だったと
わかるあたり)展開から怒涛の彼らの運命の収束が素晴らしい。
血と糞尿に塗れながらも品格のある重厚な文体はさすが皆川先生です。

ツヴェンゲル有能すぎる。なんでツヴェンゲルはこんなにユリアンに執着したのかな。
自分という存在が認められていないツヴェンゲルが保護者であるヴァルターや親友の
ツヴェンゲルに執着するのはわかるんだけど。
結局自動書記を使った精神の感応でユリアンとしての記憶は全て表舞台を歩くゲオルグの
中に収束されたんだなー。そしてユリアンの魂はツヴェンゲルと共に。
双子の物語でありながら、ツヴェンゲルを挟んだ3人の物語でもあった。

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