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有栖川有栖「論理爆弾」

大東亜戦争後、日本が南北に分割され北海道が独立した日本を舞台にした
歴史改変青春ミステリ。
全ての探偵行為が禁止されたこの時代、失踪した母の手掛かりを追って探偵を
目指す少女、純の活躍を描く。

正月に綾辻行人の館シリーズと一緒に買った有栖川有栖、やっと読めました。
それほど長い作品でもないんだけど、作品のテイストがなかなか頭に馴染まなくて。
シリーズ物の第3弾ってことは承知の上で買ったんだけど、まあ他の有栖川作品
(というか火村シリーズ)みたいにどこから読んでも問題なしって感じでもなかった
から、ちゃんと1作目から読んだ方が良かった。
探偵禁止とかネットじゃなくて電脳なんて言葉が出てくる世界観が特殊だし、中盤
以降まで事件は起こらないし、殺人事件がメインというよりは、母の失踪を追って
探偵を目指す純の成長物語の中に殺人事件があったって感じかな。そこが少し
予想外だった。
それに、これはきっとミステリというよりサスペンス。主人公自身が痛感したとおり、
殺人の動機なんて実際は探偵が思考を巡らせて推理して辿りつけるようなもの
ばかりじゃなくて、ある意味今回の事件は昨今の世相を観るに現実的なのかも
しれないよね。
でも私はやっぱりもっと有栖川作品はミステリして欲しかったのよー。

あとふと思ったけど、有栖川作品の女の子(学生アリスでいう「双頭の悪魔」のマリア)
って、主役・語り手に居るより脇に居てくれた方が好きだなあ。なんでだろう。

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