笠井潔/岩崎正吾/北村薫/若竹七海/法月綸太郎/巽昌章「吹雪の山荘」
ミステリー作家達が、互いの作品の名探偵orワトソン役を登場
させて1章ずつリレー小説で綴るミステリ小説です。
矢吹駆シリーズからはナディア・モガール、「風よ、緑よ、故郷よ」の
刈谷正雄、円紫さんと私シリーズからは「私」、若竹七海シリーズ
からは若竹七海、法月綸太郎シリーズからは法月綸太郎、有栖川
有栖シリーズからは学生アリスが登場します。残念ながら有栖川
先生は諸事情で執筆を辞退されたそうで、アリスは登場するものの
先生の書いたパートは読むことはできません。
設定としては雪の舞う大晦日に山荘村に訪れた彼らが、首なし死体を
発見するというものなんですが、まあリレー小説と言う作りなので仕方
ないとはいえ、色々とっちらかってる印象はありました(笑)。
これをまとめ上げた最後の執筆者の巽さんは本当に大変だったと思い
ますし、力量を感じました…。
とっちらかってるとは言え、いるのがわりと堅実派のキャラクターばかり
なので、推理そのものは実直路線で、それはそれでちょっと物足りなく、
こういった名探偵(ワトソン)大集合ならではのお祭り気分を味わいたく
もありました。
とは言え、一番の醍醐味は他の作家先生の書く「私」やアリスが読める
こと。日常系ミステリのワトソン役である「私」に死体見せちゃうのは
可哀想だったけど、彼女はやはり芯の強いしっかりした智恵者っぷり
を見せてくれて嬉しかったです。
アリスはもっと関西弁聞きたかったです。周りが年長者ばかりなので
敬語になるのは仕方ないんですが。まあアリスの出番が少なめなのは
上記の事情があったからだとは思いますが。でも「私」とかと話してる
のは可愛かったな。
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