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1/20S「TERROR」

作:フェルディナント・フォン・シーラッハ
翻訳:酒寄進一 演出:森新太郎
出演:橋爪功 今井朋彦 松下洸平 前田亜季 堀部圭亮 原田大輔 神野三鈴
 
久しぶりになかなか重厚な舞台、というか知的エンタメを見ました。
テロリストにハイジャックされた民間機を撃墜し、164人の命を奪い7万人の
命を救った空軍少佐は有罪なのか、無罪なのかを問う法廷劇。弁護士と検察官の
主張、被告人と遺族の思い、すべてを聞き判決を決めるのは私たち観客の投票
です。
法を信じるか、良心を信じるか。
所謂、多数を救うために少数を犠牲にすることの是非。個人的にも興味深い
テーマだったよ。トロッコ問題とか臓器くじの話も出てたけど、トロッコ問題の
発展形で、暴走するトロッコを真上から見下ろしている自分の隣に、線路上に
横たえればトロッコを止められるくらいの巨漢がいたら、その人を殺して突き
落とすか?っていうのは初めて聞いた…確かに、こっちは迷ってしまうなあ。
私たちのモラルなんて人によって加減が違うし、このトロッコ問題の発展形みた
いに、簡単にぶれてしまうんだよね。だからこそ憲法という大原則が破られて
はいけないのだっていう検察官の主張はすごくよくわかった。
私自身、仕事の中でたくさん法律読むし、「PSYCHO-PASS」の常守朱が
言ってた、「これまで、悪を憎んで正しい生き方を探し求めてきた人々の思いが、
その積み重ねが法なんです。それは条文でもシステムでもない。誰もが心の
なかに抱えてる脆くてかけがえのない思いです。怒りや憎しみの力に比べたら、
どうしようもなく簡単に壊れてしまうものなんです。だから、よりよい世界を
作ろうとした過去すべての人たちの祈りを無意味にしてしまわない為に。
それは最後まで頑張って守り通さないといけないんです。諦めちゃいけない
んです」
っていう言葉大好きで言葉共感しすぎなんだけどね。
 
でも私は無罪に投票しました。この日の公演の結果も無罪で終わった。
これ、前回公演の時からで通算2回目なんだって。
一つは憲法研究所の言う「命を天秤にかけられない」っていうのは、1つと
1つの命を比べられないってことじゃないのかな?例えば貧乏人と大富豪の
命とか。(厳密にいえば片方が大統領とかだったら話は違うと思うけど)。今回は
164と7万だからやっぱり7万人の命を優先していいと思う。つまり研究所の
主張について解釈違いじゃないかと思ってる。
また、スタジアム客の避難が行われなかったことは少佐の責任ではないし、
乗客がコクピットに乗り込もうとしていたことを知る由もない。裁判官の言って
たとおり、奇跡の成功を期待するのもおかしい。
ただやはりこれも、身内が飛行機に乗ってたら同じことが言えたかなんて
わからないなって。
実際被告人が検察官に「もし自分の妻子が飛行機に乗っていたとしても撃墜
するのか」って聞かれてたけど、衛宮切嗣思い出さずにはいられなかったよね

セットは机といす、ほとんど使われない背後のスクリーンのみ。劇中音楽も
ほぼ無い、なんというか役者さんの実力をまざまざと見せつけられる舞台
でした。
鋭い言葉と情感溢れる話し方でモラルに左右されない法の原則を説く検察官の
神野さん、軽やかに飄々と我々が向き合う社会と法の矛盾を示す弁護士の橋爪
さん、あくまで中立の位置に立ち続けて、私たちに物語を正確に伝え続けてくれ
た裁判官の今井さん。あの膨大なセリフと言葉、聞き取りやすくてわかりやすくて
凄かったです。
でもこちらも参審員として参加しているっていう設定だからか、客電が落ちないのね。
前方席の人が身じろぎしたりするの見えると集中途切れてしまったなあ。でもそれを
揺り戻すくらい役者さんたちは素晴らしかったです。

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コメント

はじめまして。ずっとブログを拝読しておりましたが、初めて、同じ公演の同じ上演回を観ましたので、嬉しくて初書き込みさせて頂きます。私は、「有罪」に投票しました。有罪に傾きつつも迷っていたところを決め手になったのは、最後の最後、橋爪弁護士の「今は戦時下なのだ」という台詞でした。
とはいえ、もしこれが「有罪」か「無罪」かではなく、「死刑」か「無罪」かを問われていたなら、間違いなく、「無罪」を選んでいたと思います。これってやっぱり、ぶれているのかな。いえいえ決して、松下さんのファンだからではありませんよ^^。

>sumomoさん
こんばんは、初めまして。コメントありがとうございます。
同じ公演を見ていらしたんですね。
やっぱり迷いますよね。橋爪弁護士の「今は戦時下なのだ」と
いうセリフは、日に日に重くリアリティを持って心に刺さってくるようです…。
松下さん、無私の真面目な空軍少佐を演じてらして、素敵でしたね!
確かに私の中にも「こんな人が罪を負わなきゃいけないなんて割に合わない」と
いう感情もあった気がします。

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