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三浦しをん「風が強く吹いている」

アニメに触発されて買った原作である本作。めっちゃ面白かった!
10人のキャラクター全員が本当に魅力的で、中でも強靭な精神力と箱根駅伝へ
の情熱で素人集団を率いるハイジと天性の走りの才能で一行を先導する走の、
互いが互いの光みたいな関係性が素敵でした。
最後の駅伝シーンでは涙ぐんでしまった…。
素人集団が駅伝の華「箱根駅伝」に挑むなんてただの夢物語に聞こえるけど、
記録会や予選会、公式記録のこともきちんと調べられていて、そういうリアリティが
底にあった上でのやはり素敵な夢物語だったと思います。

先行してアニメを見てたんですが結構アニメオリジナルシーン多いのなー!
神童くんのキングさん説得とかHP作るところとかハイジさんがニコちゃん先輩に
お手製お弁当持って追いかけるところとかあのへんオリジナルみたいだし、ハイジ
さんが過労で倒れちゃうタイミングも少し違うけど、正直原作もアニメもどちらも
良くて2倍楽しめた気がしてます。
でもアニメではハイジさんの走の疾走を見る瞳の輝き、意志の強さと本心を巧妙に
隠した声と芝居(CV豊永さん)、走のハイジさんを見る目の柔らかさとかで
表現されてたのが、「この世に幸福や美や善なるものがあるとしたらこの男の
形をしている」「ハイジの言葉は暗く揺蕩う走の胸を一閃して照らす光」とか
めっちゃえもく直接的かつ詩的に表現してくるんで、なんかこう原作は物理攻撃
で胸をグサグサ刺してくる感はありますな(笑)。
しかしハイジさん普通に単位取って学生生活しつつ故障が完治してない脚を
抱えながらの選手としての練習・素人集団のコーチ・全体の戦略考える監督・
10人分の栄養管理ばっちりの朝夕ご飯づくりまでしてて凄いよ。
大学に陸上部がないのに1年の頃から「いつかメンバーが10人に達したら
駅伝に出てくれるかもしれない人たち」のために毎日朝夕ご飯を作り続けてきた
執念と来たら。来るべき時に栄養の行き届いた体が出来上がってるようにってさ。
胃袋掴まれてるってレベルじゃない。
アオタケの支配者はハイジさんで総合戦略考えられるのも彼だけなんだけど、
ユキさんは戦術なら考えられるから(アニオリだけど、ユキと神童が公式記録出した
大会の作戦考えたり)参謀役だし、ついでに後方実務が神童くんって感じ。
あとユキさん神童くんが彼女に振られたの察したり走の親との話を聞いてあげたり
ハイジさんの目が届かない分野をフォローしてるし、ハイジさんが過労で倒れた
とき周りに指示出したりで、やっぱ副キャプテン的存在だなあ。
ニコチャン先輩は相談役。
駅伝のシーンは本当に走っているときの走者のモノローグも、前後のスタート地点
での付き添い人とのやりとりも全部丸々最高。
特に王子とハイジさんの走った前後のやりとり「すまない」じゃなくて「ありがとう」
に訂正したハイジさんに「合格」の王子!運動が誰より苦手だった王子の静かな奮闘と
成長には涙してしまうよ。ハイジさんにとって走りの理想を体現してるのは走だけど、
一度故障で陸上から距離を置いた彼がまた一から走り始めるに当たって走ることの
意味を教えてくれたのは王子だったんじゃないかなあ。
あとユキ先輩と神童くん!!一人でも脱落したら棄権になってしまうメンバー数ぎり
ぎりの寛政大なのに「本当に辛かったら棄権してくれ」と最後の最後に言わずにいら
れなかったユキ先輩と、翌日ユキ先輩の付き添いとしてユキのために心を尽くして
世話をした神童くんの関係性な。ニコチャン先輩がハイジは本当によく人を見ていて
区間起用も前後の人間の関係性を考慮して選んでるって言ってたけど、絶対付添人も
そうだからね。神童くんとムサの絆もいいけど、皮肉屋なユキが素直になれるのも相手
が神童くんだからだよなあ。そして応援に来た家族を見てユキの心のわだかまりが解け、
「雪もいま、完全に雨になった」って彼の心情と風景描写を重ねるのも素晴らしかった。
あとキングが「ハイジの一番の友人と思われていない」ことを気にしてたのちょっと
意外だったな。でもキングの挙げた組み合わせだとハイジは走が来るまでは一人だった
んじゃないかって思うけど、まああの人も誰とでも適度にやっていけそうではあるから
なあ。
走ることは孤独だけど、一人じゃない。同じ時間・場所を走ってる全ての走者が平等で
いられる場所であって、繋がっている。
今からアニメで箱根駅伝のシーン見るの楽しみだなー。林ゆうきさんの
音楽で感動爆上げなの間違いないだろうし。

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