2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 11/2S舞台版『PSYCHO-PASS サイコパスChapter1ー犯罪係数ー』 | トップページ | ゴッホ展@上野の森美術館 »

小野不由美「白銀の墟 玄の月」3巻・4巻

Ei6knzgvuaawfha
1巻・2巻とわりと戴の厳しい現状や地名、道観や土匪等といった十二国記
独自の宗教や土着の群れの説明が多いし、李斎たちが驍宗の手がかりを追って
は無駄足になり、でもかすかに繋がる細い希望の糸を手繰り続ける展開が
続くので、結構読むのはハードなんですけど、3巻から話が動くし会話文も
多くなるので読みやすくなりますね。
3巻では2回泣きました。
十五章の正頼の牢の鍵を奪うため、慈悲の生き物である泰麒が意志の力で
見張りに立ち向かう時に「先生」と広瀬を呼ぶシーン。
私、実は十二国記は本編より先に「魔性の子」を読んでるんですけど、この
時は十二国記とのつながりをよく知らないまま読んだので、わりと単純に
ホラー小説だと思ってたし、主人公の広瀬目線だったからやっぱり高里要に
置いて行かれた感はあったんですよね。その先の泰麒としての使命も戴を
背負っていることも知らなかったから、ちょっと広瀬気の毒だなって。
でも、泰麒が辛いことも多かった蓬莱を故郷と呼べるのは広瀬がただ一人、
居てもいい、と言ってくれたからだって。だからその故郷と呼べる蓬莱に
大量の犠牲を巻き起こしてまで帰ってきたこの戴を救わなければと思って
くれてることが嬉しかったな。
それから十七章のラスト。
驍宗を救うためには本当に大きな力が必要なんだけど、正直力ある官吏や
武将単体でそれを起こせる人はいなくて。でも苦しい生活の中で各地で
大切に隠され守られてきた民の灯した小さな火を李斎たちが繋げていく。
それが、一番際立ったのが姉を無くした少女とその父が、日々の食事にも
困窮する中でなけなしの食糧を供し続けたその行為が、自分を救ってくれた
恩人への感謝の気持ちを失うことはその人を弑する悪王を赦す事、それは
飢えて苦しむ事より辛いことだという思いが、間違えようもなく正しく
驍宗へ届けられ、彼を生き長らえさせていたこと。何より、ここでよう
やく驍宗の生存が確定したこと。
4巻は、少しずつ墨幟に人が集い、驍宗が驚異のサバイバル能力で自力で
落盤の大穴から脱出した後に李斎たちと合流したところくらいまでは、イケイケ
だったのに、一気に仲間たちが死んでいって絶望モードに。もう捲るページ数が
どんどん少なくなっていって、このまま心中エンドしかないんじゃないかと
思った。でも、
「泰麒は光に向かって駆けだす」。
ここからは本当に、映像が目の前に浮かぶようだった。
個人的にはいい意味で泰麒に裏切られっぱなし!私たちはどうしても
幼くて稚くて守ってあげたいお可愛らしい泰麒の印象が強いからさ。
それにこれまでシリーズを読んでて頭に沁みついた麒麟の特性。
慈愛深い、善性の生き物。自らの王以外叩頭しない。何より血の穢れを嫌う。
それが李斎すらも一度疑い、阿選を騙そうと画策し、ついには人殺しまで。
それを強い意志の力で、ねじ伏せた。本当に泰麒は強い。
それに麒麟の力の回復を隠し通した。
そして18年間待ち望んだ王と泰麒の再会。
「蒿里か」「…大きくなったな」「よくやった。-もういい」
厳しい戴の冬を乗り越える苛烈な、紛れもない戴の血脈をその瞳に見たとき、
泰麒は再び転変するんだよね。ここでまた泣いた。
阿選のことは、完全に理解しきれたかわからない。
嫉妬とは厳密にいえば違うのかもしれない。でも、永遠に誰かの影であり続ける
ことは辛いということなのかもしれない。来年の短編集でそのあたり、わかるかな。
あと、最後に好きな延王と延麒のコンビが出てきてくれたのも嬉しかった。
この二人の安定感たらないよね。

「戴史乍書」販売してください。

« 11/2S舞台版『PSYCHO-PASS サイコパスChapter1ー犯罪係数ー』 | トップページ | ゴッホ展@上野の森美術館 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 11/2S舞台版『PSYCHO-PASS サイコパスChapter1ー犯罪係数ー』 | トップページ | ゴッホ展@上野の森美術館 »