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ミュージカル「スリル・ミー」

原作・脚本・音楽:ステファン・ドルギノフ 演出:栗山民也
松岡広大・山崎大輝/ピアニスト:篠塚祐伴

チケットを持っていたんですが公演中止になり、配信で視聴。アーカイブ無しとの
ことなので、頑張って時間合わせましたよ~。
どちゃくそ重い男の執念の話でした…。
児童が被害者になった実際の事件が元になっているとのこと。
それを二人芝居+ピアノ生演奏で繰り広げられる100分間。
なぜ私はこれをダンサブルでご機嫌な音楽で綴る陽気なミュージカルだと思いこんで
いたのだろうな?

3ペアあったんだけど、歌唱力ペアと言われる田代新納ペアとかも見てみたかったな。
松岡×山﨑ペアはやっぱり歌唱力・演技力では他組に劣るかもしれないけど、物語の
メインである19歳時代に一番近いだけあって、特に彼の不安定さ、自己を確立できて
いない理由が親からの承認欲求の強さって点に凄く説得力があるなって。


父親の愛情に恵まれなかった(と本人は思ってる)彼のアイデンティティを保って
いたのは、自分は特別だというニーチェの超人思想と、自分に執着する私の存在で
特に後者に対してはわざと突き放したり離れたりすることで動揺して縋りつく私の
姿を見て優越感に浸ってたんだろうな。
でも私は愚直に彼に従ってるようで、実はそうじゃなかった。

逮捕されてもまだ彼は私にキスの一つもすればまだ自分のいうことを聞かせられると
思ってようだけど、キスをされた後の私の透明感あふれるというか、全て剥離して
しまったような笑みが印象的でした。
「僕たちはこれから一生同じ場所で過ごすんだよ」と、もう離れられないと語る
私は全てを理解していた。自分を見下す彼の思い込みも。
彼は私を自分の思い通りにしていたつもりで、彼こそが全て私の計算通りに
99年の終身刑で生涯共にするこる結末を得た。

でも実際の事件同様、彼は刑務所の中で囚人に刺されて殺されてしまい、私は
釈放された。19歳の時の事件で34年刑務所にいるんだから今は53歳だよね。
史実だと彼は30歳で死んでるので、20年間くらいは彼無き日々を過ごしてた
んだよね。で、仮釈放されて自由だ、と言われた後の「自由…?」っていう途方に
くれたような顔も忘れられない。
自分の全人生を賭けて99年相手を自分に縛り付ける計画を立てて、計画自体は
成功したのに彼は死んじゃって、残されちゃったんだよなあ。

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