【原作】 荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社ジャンプ コミックス刊)
【演出・振付】長谷川寧 【音楽】ドーヴ・アチア【脚本・歌詞】元吉庸泰
【出演】
有澤樟太郎/宮野真守
清水美依紗/YOUNG DAIS/廣瀬友祐
河内大和/島田惇平/コング桑田/別所哲也
アンサンブル
天野夏実/AYUBO/池田遼/伊藤奨/伊藤広祥/今村洋一/江上万絢
岡田玲奈/尾崎豪/加瀬友音/鎌田誠樹/工藤広夢/倉元奎哉/シュート・チェン
杉浦奎介/住玲衣奈/西澤真耶/花岡麻里名/古澤美樹/町屋美咲/望月凜/森内翔大
(五十音順)
【バンド】
蔡忠浩/吉田省念/小池龍平/田中佑司/梅本浩亘/高橋飛夢
無事見ることが出来ました、ジョジョミュ!
初日の2日前になって公演延期が決まって炎上したジョジョミュですが、私が
チケットを持ってる日は何とか開演に間に合いました。
物語は2部でメキシコに行くことになった老スピードワゴンが、ジョナサンの
ことを語る映像を残す、というシーンから始まる。
石仮面の由来であるアステカの部族の儀式、ジョースター卿とダリオの出会い、
ディオとダリオの苦悩から丁寧に描く姿勢は、単に漫画のダイジェスト舞台化に
するのではなく、舞台だけでファントムブラッドの世界観を完成させるという
意気込みを感じたな。
アニメ総集編のようにディオがジョースター家へやってくるところから始まる
位かなと思ってたんだけど。
さすが3時間半だな~と思った冒頭だけど、実際はあっという間だったんだ
けどね。
演出全般、凄かった。
ダニーの死は火花散る花火だし、氷はLEDだし、壁を垂直に歩くディオは客席
からの視点を俯瞰に変える(テニミュ2ndの金太郎戦みたいな)し、円筒の
舞台装置が自在に動いて客の視線を遮ったり絞ったり、回転盆の階段くるくる
まわるし、フライングもライティングもあるし、リアル炎あるしとにかく多彩。
かと思えば、波紋やダニーの捜査、川や水面の表現はアナログな演出。
どちらも上手く使って、奇妙なジョジョの世界を見事に表現してるなと思った。
おまけに生バンドだからね。役者の演技に合わせての演奏に効果音。
そこに痺れて憧れるディオからエリナへのキス「ズキュウウウウン」はギターの
生音でしたよ!すっごいわこれ。
歌も、みんなうまかった。
有澤くんはおそらく初舞台のハイキューと朗読劇の逃げ恥しか見てなかったので
帝劇の0番で歌う姿を想像できなかったんだけど、きっと相当練習したんだ
ろうなと。
マモは終始安定してて、特に吸血鬼になってからのハイな歌はぴったりだった!
エリナもジョースター卿もさすがにうまく、スピードワゴンのラップがよき
アクセントでした。
有澤ジョナサン、前半のやんちゃなのに情けない姿から後半の迷いなき紳士と
しての姿までの成長する姿が眩しく、応援したくなる存在だった。
身長がすらっと高くて足が長くて、エリナと並ぶと身長差素敵だった!
宮野ディオ、凄かった。原作より人間味と弱みのあるディオだったよ。
「俺は人間をやめるぞ」の時の表情は苦悶に満ち、吸血鬼になった後も父の
呪いに支配され続けているという。
廣瀬ツェペリは若々しいのでジョナサンのことを「息子と親友を同時に得た」
と言われるとちょっと年齢差?とも思うけど、軽妙で何考えてるか掴みにくい
ところがよかった。今回ポコがいなかったので仕方ないけど、タルカス戦の
「明日って今さ!」からの切られてしまうところもう少ししっかり見たかったな。
今回の芝居のテーマは繰り返し出てくる「星と泥」なんだろうな。
牢獄の中で星を見上げ気高く生きた過程を尊ぶジョナサンと、目を潰され
一面泥に濡れて結果だけを見つめるディオ。
私はディオは生まれついての悪の華だったと思うけど、劣悪な環境がそれを
後押ししたという解釈なんだけどね。ミュのディオは、吸血鬼になったことに
ついてジョナサンから「逃げているだけだ」と詰め寄られていた。
城でジョナサンとディオが殴り合いをするシーンで、これまでの二人の青春の
やりとりのセリフを言い合いながら戦うのエモかった。
総じてクオリティ素晴らしかったから、2部戦闘潮流もミュージカル化して
ください。十分な準備期間をもって。
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