荒木あかね「ちぎれた鎖と光の切れ端」
あ~孤島ミステリ物、そんで語り手が…のパターンね!と最近よく読んだ
傾向の設定だったのであまり期待せず読み進めたんですが、いい意味で
裏切られたなあ。
読んでる途中から「あ、これ面白いな」って感じられたの久しぶりかも。
トリックがとかキャラがというより、1部、2部と読み進めていくとわかる
全体の構成の伏線や、連続殺人をテーマにした孤島ミステリなのに希望の
見える終わり方がとてもよかった。
1部で失われたものはもう取り返しがつかないし、犯人と対峙した時に
主人公の胸によぎる切なさがある。
でも未来に救いもまたあるんだよね。
ただ、主人公が先輩のことそんなに復讐するほど好きだったん?って
のはちょっとあるけどね笑
これまで読んでたようなやつだと、主人公と変り者の九条が探偵役になって
連続殺人の謎を解いていく感じ?なんだろうけど、殺人のテンポとスピードが
速くて、まだ本の真ん中くらいのページなのに、ほぼほぼみんな死んだ?と
なったら、実は…という。全て理解した上でまだ1部を読み直したくなる
完成度の高さでしたわ。
2部の主人公や女刑事が語る九州や職場での男尊女卑の話は令和ならでは
だなとも。ちなみに女刑事のハンドクリームの匂いがやたら強調されてたので
オチでこの匂いきっかけで実は黒幕だとバレるみたいな展開になるのかと勝手に
予想してたんですが全然違いましたね。
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