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書籍・雑誌

志駕晃「スマホを落としただけなのに」

先に映画のCMで見たのですが、その後偶然友人からの定期便に原作本が
入ってた(笑)。
主人公の恋人のスマホを拾ったのは悪質なクラッカー。彼のスマホのから
個人情報やSNSのログインパスワードなどが次々と抜き取られ、ヒロイン
にも危険の手が迫る。
TVCMで見たときは「スマホ落としただけっちゅーても、SNSとかで
個人情報バレバレの自撮りとかしてるんだろー」って思ってたけど、彼女
自身は訳あってそのへんのセキュリティ意識は比較的高め。比較的、だけど。
でも繋がってる彼氏の方が誕生日をパスワードにしてたりとゆるゆるだった
のが致命的だよなぁ。彼氏に裸の写真撮らせてあげたりさ。
読んでる途中で一度映画のサイトを見にいってキャスティングをふむふむと
確認して、終盤でもう一回「あれ、この人がこれやるんだよね…?」って
確認しに行きました(笑)。

三浦しをん「風が強く吹いている」

アニメに触発されて買った原作である本作。めっちゃ面白かった!
10人のキャラクター全員が本当に魅力的で、中でも強靭な精神力と箱根駅伝へ
の情熱で素人集団を率いるハイジと天性の走りの才能で一行を先導する走の、
互いが互いの光みたいな関係性が素敵でした。
最後の駅伝シーンでは涙ぐんでしまった…。
素人集団が駅伝の華「箱根駅伝」に挑むなんてただの夢物語に聞こえるけど、
記録会や予選会、公式記録のこともきちんと調べられていて、そういうリアリティが
底にあった上でのやはり素敵な夢物語だったと思います。

先行してアニメを見てたんですが結構アニメオリジナルシーン多いのなー!
神童くんのキングさん説得とかHP作るところとかハイジさんがニコちゃん先輩に
お手製お弁当持って追いかけるところとかあのへんオリジナルみたいだし、ハイジ
さんが過労で倒れちゃうタイミングも少し違うけど、正直原作もアニメもどちらも
良くて2倍楽しめた気がしてます。
でもアニメではハイジさんの走の疾走を見る瞳の輝き、意志の強さと本心を巧妙に
隠した声と芝居(CV豊永さん)、走のハイジさんを見る目の柔らかさとかで
表現されてたのが、「この世に幸福や美や善なるものがあるとしたらこの男の
形をしている」「ハイジの言葉は暗く揺蕩う走の胸を一閃して照らす光」とか
めっちゃえもく直接的かつ詩的に表現してくるんで、なんかこう原作は物理攻撃
で胸をグサグサ刺してくる感はありますな(笑)。
しかしハイジさん普通に単位取って学生生活しつつ故障が完治してない脚を
抱えながらの選手としての練習・素人集団のコーチ・全体の戦略考える監督・
10人分の栄養管理ばっちりの朝夕ご飯づくりまでしてて凄いよ。
大学に陸上部がないのに1年の頃から「いつかメンバーが10人に達したら
駅伝に出てくれるかもしれない人たち」のために毎日朝夕ご飯を作り続けてきた
執念と来たら。来るべき時に栄養の行き届いた体が出来上がってるようにってさ。
胃袋掴まれてるってレベルじゃない。
アオタケの支配者はハイジさんで総合戦略考えられるのも彼だけなんだけど、
ユキさんは戦術なら考えられるから(アニオリだけど、ユキと神童が公式記録出した
大会の作戦考えたり)参謀役だし、ついでに後方実務が神童くんって感じ。
あとユキさん神童くんが彼女に振られたの察したり走の親との話を聞いてあげたり
ハイジさんの目が届かない分野をフォローしてるし、ハイジさんが過労で倒れた
とき周りに指示出したりで、やっぱ副キャプテン的存在だなあ。
ニコチャン先輩は相談役。
駅伝のシーンは本当に走っているときの走者のモノローグも、前後のスタート地点
での付き添い人とのやりとりも全部丸々最高。
特に王子とハイジさんの走った前後のやりとり「すまない」じゃなくて「ありがとう」
に訂正したハイジさんに「合格」の王子!運動が誰より苦手だった王子の静かな奮闘と
成長には涙してしまうよ。ハイジさんにとって走りの理想を体現してるのは走だけど、
一度故障で陸上から距離を置いた彼がまた一から走り始めるに当たって走ることの
意味を教えてくれたのは王子だったんじゃないかなあ。
あとユキ先輩と神童くん!!一人でも脱落したら棄権になってしまうメンバー数ぎり
ぎりの寛政大なのに「本当に辛かったら棄権してくれ」と最後の最後に言わずにいら
れなかったユキ先輩と、翌日ユキ先輩の付き添いとしてユキのために心を尽くして
世話をした神童くんの関係性な。ニコチャン先輩がハイジは本当によく人を見ていて
区間起用も前後の人間の関係性を考慮して選んでるって言ってたけど、絶対付添人も
そうだからね。神童くんとムサの絆もいいけど、皮肉屋なユキが素直になれるのも相手
が神童くんだからだよなあ。そして応援に来た家族を見てユキの心のわだかまりが解け、
「雪もいま、完全に雨になった」って彼の心情と風景描写を重ねるのも素晴らしかった。
あとキングが「ハイジの一番の友人と思われていない」ことを気にしてたのちょっと
意外だったな。でもキングの挙げた組み合わせだとハイジは走が来るまでは一人だった
んじゃないかって思うけど、まああの人も誰とでも適度にやっていけそうではあるから
なあ。
走ることは孤独だけど、一人じゃない。同じ時間・場所を走ってる全ての走者が平等で
いられる場所であって、繋がっている。
今からアニメで箱根駅伝のシーン見るの楽しみだなー。林ゆうきさんの
音楽で感動爆上げなの間違いないだろうし。

土橋真二郎「殺戮ゲームの館」

デスゲーム系小説読むぞシリーズ。まだ続いていた!
そう名前は出してないけど、人狼ゲームですね。
とある大学のサークルメンバーが気づいたら屋敷に監禁され、
謎のルールに従わされる。それはメンバーの中にいる「魔物」
により朝を迎えるたびに一人また一人と殺されていくというもの。
魔物が誰かを突き止め剣を持つ村人が倒すか、村人の数が2人
まで減るかどちらかまでそのゲームは続く。
夜は魔物の出歩く時間、昼は人間が誰が魔物かを議論する時間。
密室の中で続く殺人を食い止めることはできるのか。
最初はわけもわからず殺されていく感じなんですが、個室に
入る順番や全員が束縛された状態で話し合う井戸のシステムに
ついては結構面白かったし、議論の流れを思うように操る藍は
凄かったですね。まあ彼女のラストはそうなるんだろうなと思う
ところはありましたが。
そして犯人が誰かはわりとわかりやすいね。重要なポジションに
いながら全然目立つ行動しないのが逆に怪しかったし。
でもさ、やっぱ福永は亜美は合わないよ。藍みたいなまず自分を
最優先にする冷静さとそれを可能にする知能を持ちながら、その
次に好きな人を助けるくらいの割り切り持った人間の方が、全然
福永自身の思考に近いじゃんね。お前はそういう男だよ…。
そして私も心のない人間だから福永や藍みたいな考え方の方が
性に合うなー。

藤ダリオ「放課後デッド×アライブ」

デスゲーム系小説読むぞシリーズ。
高校生のとある1クラスが学校内に監禁されて、命を懸けた生き残りの
ゲームをさせられる。序盤が冗長だった部分をもっとカットすれば、
わりと各種のゲームそのものはいまいちでも必勝法の見つけ方とかは
面白かった気がする。ラストもトンデモ展開だったけどまあ思い切ったね!
もうちょっとキャラに感情移入できればいいんだけど、まあガンガン人が
死んでいくデスゲーム系で感情移入ってあんまりしにくいんだけどね。
ヒロインとほぼ恋愛関係みたいになるし。
最初は空気読めない脳筋の相棒だった女子が終盤のやりとりで急に
株を上げてきて、何となく好きっぽくなるのも主人公と二人で新しい
世界でのアダムとイブになるためなんだろうなー。

スティーヴン キング「バトルランナー」

スティーヴン キングがリチャード・バックマンという別名義で
書いた小説。病気の娘を助けるため、賞金を懸けてハンターたち
から命がけで逃げるゲーム「ランニングマン」に参加することに
なったリチャードの逃走劇を描く。
シュワルツェネッガーの主演した映画とは色々設定や登場人物
などが違うようです。この小説だと、結構ぐろかったり主人公を
助けようとした人が死んじゃったり、なかなかシンプルな娯楽
作品に仕上げられなそうだしなあ。
ま、生き残らなかったね!主催者のビルに飛行機ごと突っ込んで
相打ち(一応協力してくれた女性は避難させ済み)ってのは、
最近の日本のデスゲーム物にある、主人公は生き残るけど強大な
力を持った主催者側のことはぼんやり謎(金持ちの好事家の余興)
のまま終わるけど、これは一応決着ついたね。まあ死んじゃった
けどさ主人公も。でも途中で妻子もとっくに死んでたってわかった
し、もう主人公としては生きる意味ないし、せめて最後に敵に一矢
報いたいって気持ちにもなるよね。
小説の中できっちりケリがついてるので、これはこれで潔くて
いいなと思ってます。
アメリアとの関係は、いわゆるストックホルム症候群のようなもの
だったのかもしれないけど、お互いにお互いを気遣う思いがあったし、
地獄を見た彼女ももう元の生活には戻れないだろうけど、命だけでも
助かったのは救いだね。

椙本孝思「THE QUIZ」

デスゲーム系小説読むぞシリーズ。
視聴者参加型のクイズ番組の決勝に進出した10名を待ち受けていたのは、
間違えると殺されるデスゲームだった。
1個前に読んだ「極限推理コロシアム」に比べれば、このデスゲームが
開催された理由っていうのはちゃんと判明するかな。グーグルがモデルになって
るだろうシーガルについては序盤から出てくるしね。あと課題そのものには
推理要素ががない(一応クイズ)だからその出来が比較できないから、単純に
比べられないかもしれないけど、これもまあ全体的にあっさり塩味ですね。
だって読者が推理してわかるかねこのクイズ。
でもヒロインの裏切りというスパイスからの、クズ要素は良かったな。あと
當間と主人公が協力すればもっとうまく言った気がするんだけどねえ
これTVドラマになったんだね、ちょっと見てみたかった。
さすがにこれだけデスゲーム本読んでると多少わかってくるけど、
やっぱり本1冊でゲームで負けたら死ぬという異常事態への恐怖感とか、
クローズドサークルで追い詰められていく人間たちのドラマとか、奇抜な
死のゲームとか、驚きの黒幕の正体とか、詰め込んでいくの難しいよね。
デスゲーム系小説の先駆けともいえる「バトルロワイヤル」は、1クラス分の
生徒たち分の生き死にが描かれていて、まあまとめて殺されちゃった子もいる
けど、数量で圧倒された感はあったよね。その中で学生らしい恋愛とか性への
興味とか自暴自棄とか色んな理由付けがされててさ。「バトルロワイヤル」みたく
本当は生き残ったメンバーが協力して黒幕打倒まで持っていけるといいんだ
けど、これだけの規模のゲームを開催できる相手を一般人の一個人が
倒すとなると結構大変だもんね、

矢野龍王「極限推理コロシアム」

デスゲーム本、読みたいそんな秋の夜長。
数日間にわたる泊りの研修の暇潰し用に何冊か本を買ったので

しばらくは読書を堪能したいところです。
今回はこれ、「極限推理コロシアム」。
これさらっとテレビドラマ化しててびっくり。まあわりと視覚的かもなあ、
トリックは。
夏冬、2つの館にそれぞれ7人ずつ男女が監禁され、中に2人紛れ
混んだ犯人役に殺される前に、2つ分の館で起こる殺人事件を
解決すれば賞金がもらえるというもの。
せっかく合計14人登場人物がいるのに、基本主人公のいる夏の館し
か状況が見られないし、はっきりいって連続殺人が起こっていっても
1つ1つの事件から犯人が絞られていくっていう感じでもないというか、
犯人を推理するんじゃないみたいなところあるんだよな。というか、
登場人物たちすぐ推理投げ出すからなーもっとみんなであーでもない
こーでもないって推理してほしかったよ。
あとこの手のゲーム絶対謎の多い女性キャラと恋愛するのなぜなん。

皆川博子「巫子」

皆川博子さんの、自選の、少女ホラー小説集ですよ…?もうこれ間違いないでしょって
買ったんだけど、はいええ間違いなかったわ。
というわけで、少女の蠱惑と魔性、女性の狂気と幻想と情念が凝縮した9編。
ほんとどれも外れ無し!基本救いも無し!
基本的に時間ループとかそういう話好きなので「骨董屋」は興味深い。
そして女たちが少女から大人の女性へ成人した後も、奇妙な幻想の中の
時間の円環の中に閉じ込められてしまうんだな。
ちょっとそこからのミスリードを利用した話だけど「夜の声」もいい。
「骨董屋」のラスト、麻子はどうやって姉弟を殺人者にしないようにするんだろうとか。
深読みしすぎかな。
あと「冬薔薇」は最後の自己治癒体操のうねるような、自分では止められない
揺らぎがちょっと怖かった。一度やり始めると気持ちよくて自分では止められなくて
死ぬまで揺れ続けるうねりってどんななんだろう。それが一番怖かったかも。

櫛木理宇「死刑にいたる病」

ネットでたまたま見かけて興味を持って購入してみた一冊。
鬱屈した日々を送る大学生の主人公が受け取ったのは、稀代の
連続殺人鬼として逮捕された、少年時代の知人からの手紙。
彼の依頼はたった1件の冤罪の証明。
初めての作家さんでしたが、文章が読みやすく、本当に9件目は冤罪なのか、
だとすると真犯人は誰なのか、そもそもなぜ大和は主人公に調査を依頼して
きたのか、などの謎が魅力的で続きが気になり、一気に読み進めてしまいました。
大和の依頼を受け、彼や彼の母親の悲惨な人生を知っていくうちに知らず大和に
心を寄せ、繋がりを感じていき、侵食されていく主人公。私も「いま君の手を
握れたらいいのに」のシーンはちょっと感動しちゃったから、ちょろいな…簡単に
こりゃ取り込まれて騙されるわ私(笑)。互いに距離を縮めたかのように見せて
実は自分の手を逃れた主人公への執着(でも別にダメだったらそれはそれであっさり
引く程度の)だったなんて怖いよね。
ラストは大和の思い通りにはならなかった主人公だけど、うすら寒い気持ちになる
終わり方だったねえ。あれって伏線あったっけ?
作中に出てくる実際の殺人鬼や参考文献も気になっちゃったな。ウィキで
調べたくなっちゃう!

井上夢人「あわせ鏡に飛び込んで」

私にとっては未だに「岡嶋二人」だった人、という枕詞がついてしまう
井上夢人(個人名義の作品も何本も読んでるのにねえ)の短編集です。
1990年代の作品ばかりで、携帯やコンピューター技術の進化に伴い
時代遅れとなってしまった小道具もありますが、あくまで小道具の一つ
なので、お話のキレや旨味は十分楽しめます。短いお話の中で、
まあ先が読めてしまうのもあるけどどんでん返しもあって、最後に
ぞっとしてしまう話も。トリックとか仕掛けとかより、わりとシンプルに

一番最初の「あなたをはなさない」なんて夏の怪談にぴったりな気がします。
オカルト的な怖さじゃないんだけどさ。逆にミステリーっぽさなら「書かれ
なかった手紙」かな。まあこれは小説でしかやりにくいけど。

巻末対談の大沢在昌さんとの会話の中で、小説を書くにあたってキャラクター
ありきか、物語の構造ありきかっていう話で井上さんが後者だっていうの
すっごくわかるなぁ。今回短編ばかり読んだせいか、星新一っぽさも感じて
しまったわ。あれなんか完全にエヌ氏だもんね、キャラは記号に近い。

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