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書籍・雑誌

スティーヴン キング「バトルランナー」

スティーヴン キングがリチャード・バックマンという別名義で
書いた小説。病気の娘を助けるため、賞金を懸けてハンターたち
から命がけで逃げるゲーム「ランニングマン」に参加することに
なったリチャードの逃走劇を描く。
シュワルツェネッガーの主演した映画とは色々設定や登場人物
などが違うようです。この小説だと、結構ぐろかったり主人公を
助けようとした人が死んじゃったり、なかなかシンプルな娯楽
作品に仕上げられなそうだしなあ。
ま、生き残らなかったね!主催者のビルに飛行機ごと突っ込んで
相打ち(一応協力してくれた女性は避難させ済み)ってのは、
最近の日本のデスゲーム物にある、主人公は生き残るけど強大な
力を持った主催者側のことはぼんやり謎(金持ちの好事家の余興)
のまま終わるけど、これは一応決着ついたね。まあ死んじゃった
けどさ主人公も。でも途中で妻子もとっくに死んでたってわかった
し、もう主人公としては生きる意味ないし、せめて最後に敵に一矢
報いたいって気持ちにもなるよね。
小説の中できっちりケリがついてるので、これはこれで潔くて
いいなと思ってます。
アメリアとの関係は、いわゆるストックホルム症候群のようなもの
だったのかもしれないけど、お互いにお互いを気遣う思いがあったし、
地獄を見た彼女ももう元の生活には戻れないだろうけど、命だけでも
助かったのは救いだね。

椙本孝思「THE QUIZ」

デスゲーム系小説読むぞシリーズ。
視聴者参加型のクイズ番組の決勝に進出した10名を待ち受けていたのは、
間違えると殺されるデスゲームだった。
1個前に読んだ「極限推理コロシアム」に比べれば、このデスゲームが
開催された理由っていうのはちゃんと判明するかな。グーグルがモデルになって
るだろうシーガルについては序盤から出てくるしね。あと課題そのものには
推理要素ががない(一応クイズ)だからその出来が比較できないから、単純に
比べられないかもしれないけど、これもまあ全体的にあっさり塩味ですね。
だって読者が推理してわかるかねこのクイズ。
でもヒロインの裏切りというスパイスからの、クズ要素は良かったな。あと
當間と主人公が協力すればもっとうまく言った気がするんだけどねえ
これTVドラマになったんだね、ちょっと見てみたかった。
さすがにこれだけデスゲーム本読んでると多少わかってくるけど、
やっぱり本1冊でゲームで負けたら死ぬという異常事態への恐怖感とか、
クローズドサークルで追い詰められていく人間たちのドラマとか、奇抜な
死のゲームとか、驚きの黒幕の正体とか、詰め込んでいくの難しいよね。
デスゲーム系小説の先駆けともいえる「バトルロワイヤル」は、1クラス分の
生徒たち分の生き死にが描かれていて、まあまとめて殺されちゃった子もいる
けど、数量で圧倒された感はあったよね。その中で学生らしい恋愛とか性への
興味とか自暴自棄とか色んな理由付けがされててさ。「バトルロワイヤル」みたく
本当は生き残ったメンバーが協力して黒幕打倒まで持っていけるといいんだ
けど、これだけの規模のゲームを開催できる相手を一般人の一個人が
倒すとなると結構大変だもんね、

矢野龍王「極限推理コロシアム」

デスゲーム本、読みたいそんな秋の夜長。
数日間にわたる泊りの研修の暇潰し用に何冊か本を買ったので

しばらくは読書を堪能したいところです。
今回はこれ、「極限推理コロシアム」。
これさらっとテレビドラマ化しててびっくり。まあわりと視覚的かもなあ、
トリックは。
夏冬、2つの館にそれぞれ7人ずつ男女が監禁され、中に2人紛れ
混んだ犯人役に殺される前に、2つ分の館で起こる殺人事件を
解決すれば賞金がもらえるというもの。
せっかく合計14人登場人物がいるのに、基本主人公のいる夏の館し
か状況が見られないし、はっきりいって連続殺人が起こっていっても
1つ1つの事件から犯人が絞られていくっていう感じでもないというか、
犯人を推理するんじゃないみたいなところあるんだよな。というか、
登場人物たちすぐ推理投げ出すからなーもっとみんなであーでもない
こーでもないって推理してほしかったよ。
あとこの手のゲーム絶対謎の多い女性キャラと恋愛するのなぜなん。

皆川博子「巫子」

皆川博子さんの、自選の、少女ホラー小説集ですよ…?もうこれ間違いないでしょって
買ったんだけど、はいええ間違いなかったわ。
というわけで、少女の蠱惑と魔性、女性の狂気と幻想と情念が凝縮した9編。
ほんとどれも外れ無し!基本救いも無し!
基本的に時間ループとかそういう話好きなので「骨董屋」は興味深い。
そして女たちが少女から大人の女性へ成人した後も、奇妙な幻想の中の
時間の円環の中に閉じ込められてしまうんだな。
ちょっとそこからのミスリードを利用した話だけど「夜の声」もいい。
「骨董屋」のラスト、麻子はどうやって姉弟を殺人者にしないようにするんだろうとか。
深読みしすぎかな。
あと「冬薔薇」は最後の自己治癒体操のうねるような、自分では止められない
揺らぎがちょっと怖かった。一度やり始めると気持ちよくて自分では止められなくて
死ぬまで揺れ続けるうねりってどんななんだろう。それが一番怖かったかも。

櫛木理宇「死刑にいたる病」

ネットでたまたま見かけて興味を持って購入してみた一冊。
鬱屈した日々を送る大学生の主人公が受け取ったのは、稀代の
連続殺人鬼として逮捕された、少年時代の知人からの手紙。
彼の依頼はたった1件の冤罪の証明。
初めての作家さんでしたが、文章が読みやすく、本当に9件目は冤罪なのか、
だとすると真犯人は誰なのか、そもそもなぜ大和は主人公に調査を依頼して
きたのか、などの謎が魅力的で続きが気になり、一気に読み進めてしまいました。
大和の依頼を受け、彼や彼の母親の悲惨な人生を知っていくうちに知らず大和に
心を寄せ、繋がりを感じていき、侵食されていく主人公。私も「いま君の手を
握れたらいいのに」のシーンはちょっと感動しちゃったから、ちょろいな…簡単に
こりゃ取り込まれて騙されるわ私(笑)。互いに距離を縮めたかのように見せて
実は自分の手を逃れた主人公への執着(でも別にダメだったらそれはそれであっさり
引く程度の)だったなんて怖いよね。
ラストは大和の思い通りにはならなかった主人公だけど、うすら寒い気持ちになる
終わり方だったねえ。あれって伏線あったっけ?
作中に出てくる実際の殺人鬼や参考文献も気になっちゃったな。ウィキで
調べたくなっちゃう!

井上夢人「あわせ鏡に飛び込んで」

私にとっては未だに「岡嶋二人」だった人、という枕詞がついてしまう
井上夢人(個人名義の作品も何本も読んでるのにねえ)の短編集です。
1990年代の作品ばかりで、携帯やコンピューター技術の進化に伴い
時代遅れとなってしまった小道具もありますが、あくまで小道具の一つ
なので、お話のキレや旨味は十分楽しめます。短いお話の中で、
まあ先が読めてしまうのもあるけどどんでん返しもあって、最後に
ぞっとしてしまう話も。トリックとか仕掛けとかより、わりとシンプルに

一番最初の「あなたをはなさない」なんて夏の怪談にぴったりな気がします。
オカルト的な怖さじゃないんだけどさ。逆にミステリーっぽさなら「書かれ
なかった手紙」かな。まあこれは小説でしかやりにくいけど。

巻末対談の大沢在昌さんとの会話の中で、小説を書くにあたってキャラクター
ありきか、物語の構造ありきかっていう話で井上さんが後者だっていうの
すっごくわかるなぁ。今回短編ばかり読んだせいか、星新一っぽさも感じて
しまったわ。あれなんか完全にエヌ氏だもんね、キャラは記号に近い。

米澤穂信「真実の10メートル手前」

フリーのジャーナリスト太刀洗万智が取材した6つの事件を描いた短編集。
一人称で描かれた表題作を除いては、クールで感情の読みにくい主人公が
事件によって受けた爪痕の深さはわかりにくい。
人の命に係わる事件を取り扱うためそもそもハッピーエンドになりにくい
ものの、単に犯人がわかった、犯人の心境が推測できたというだけでなく、
どこか突き放したような残酷さがあったな。なんというか、ほうらちょっと凝った
予想外のエンドだよってあざとく提示される結末じゃあないんだよね。もっと
救いがない。万智も事件の謎を解きながらそれを淡々と記事にするだけで。
印象に残ったのは、「名を刻む死」のラスト。事件に囚われた聡明な少年の心を
解放するために自ら良しとしないであろう「結論」による断罪。
「ナイフを失われた思い出の中に」でも、同じように一見クールに見えた彼女の
優しが垣間見られるのだけど、これは過去作の後日談になってるみたいなので
そちらを読んでいるとまた感慨深いのかもしれないですね。

長江俊和「出版禁止」

著者名とタイトルでピンと来た方もいるかも。フェイクドキュメンタリー番組
「放送禁止」でお馴染みの映像作家(小説家でもあります)長江さんの
小説です。
コンセプトは「放送禁止」と同じく、ある事情で出版禁止となってしまった
ルポを著者に代わって長江氏が発表したという体裁。やはり本作にも
ルポの表面をなぞっただけではわからない、「あなたには真実が見えました
か?」という隠された言葉遊びや仕掛けがあって、それを探りながら読み
進めていくことになります。

結局、カミュの刺客は著者だったってことかな。最後はだいぶやばい状態に
なっちゃってましたね…。

友理潤「太閤を継ぐ者-逆境からはじまる豊臣秀頼への転生ライフ」

現代の高校生男子が関ヶ原の戦い直前の豊臣秀頼(7歳)に転生した…
謎の少女の依頼に答え、割とカジュアルに豊臣秀頼への転生をOKした
主人公・太一(主人公一人称の上、周囲からは秀頼様と呼ばれるので
この名前ほとんど出てこない)が、戦国の知識を活かし豊臣家滅亡を
回避するため奮闘する物語。
やっぱり歴史の敗者による一発逆転if物語って面白いよね。日本人、
判官びいきあるから歴史の敗者に肩入れしがち…。
書籍ではざっくりいうと関ヶ原直前から真田幸村の復帰まで。大阪夏
冬の陣はこれからなので「俺たちの戦いはこれからだ!」的終わり方
なんですが、ネット連載では最後まで描かれています。
一度家康と和睦を結んで現代に帰ってから後の彼の所業を教科書で
知って家康を罵っちゃう辺りから大阪の陣の勝利までの流れは、
テンション上がりました。史実の通り死んじゃう人もいるし、石田三成の
ように史実に反して生き残る人もいるし。というかやっぱり豊臣滅亡の
道回避のまず第一報は関ヶ原後の石田三成の生存確保だったんだなあ。
キャラクターとしては真田幸村と千姫が好きです。時々主人公の存在が
忘れられるくらい周辺の武将たちのエピソードも満載で、結城秀康とか
亀姫とか初めてちゃんと知りました。
主人公の太一は、あまりに戦国時代と豊臣秀頼としてのライフに馴染み
すぎてて、未来から来た男子高校生っていうアイデンティティが消滅してた
気がする(笑)。
現代若者が過去の有名な武将と入れ替わって…っていうと最近だと
信長協奏曲を思い出すけど、あっちは歴史は詳しくない男子高校生が
織田信長と入れ替わっちゃう話だけど、現代の柔軟な思考や身分に
とらわれない分け隔てない接し方で周囲の家臣たちの心を掴んでお家も
発展していく話だったんだよね。だから現代の男子高校生である主人公が
タイムスリップする意味もあったんだけど。
本作の場合はかつて一度死んだ秀頼がその記憶を持ったまま人生を
リトライしてますって言われても違和感ない感じでしたね。そこが惜しい
というか作者の方が人気投票で主人公に票が入らないって言ってた
とのこの理由でもあるのかも。
同じく票が入らないと作者に嘆かれていた徳川家康については、私は
人間味ある好々爺と愛を切り捨てる非情の天下人と引くべき時に引けない
老いを拗らせた良い描かれ方をしてたと思います。
 
細かい?もあって、例えば二度目に現代の太一を迎えに来たのはなぜ
甲斐姫だったのかとか、本来の秀頼はどうなってるのかとか、最後に
千姫と一緒にいた秀頼は本来の秀頼なのか、とか。千姫は中身は太一の
秀頼のことが好きっぽかったけど、本来の秀頼にも惹かれていったのかなあ。

乾くるみ「リピート」

深夜のドラマ版を偶然見て面白かったので、原作小説を買って
しまいました。作者は名前は聞いたことある(映画化した小説の
作者だってことは知ってました)のですが、読むのは初めて。

10か月だけ時を遡ることができた10人の男女だったが、その先
で一人また一人と不審な死を遂げていく…。所謂タイムリープ物
なんですが「リプレイ」+「そして誰もいなくなった」とのこと。
原作版と私が見ていたドラマ版とはキャラクターの名前こそ同じ
ですが人物造形や性格がだいぶ違いますね。
まずドラマ版だと主人公はプロポーズに失敗した図書館司書の
鮎美ですが、小説だと大学生の圭介。鮎美も圭介もそれぞれドラマ
にも小説にも出てきますけど、ドラマで本郷奏多くんが演じる圭介は
カメラマンの夢破れてフリーターやってる少し斜に構えたぶっきらぼう
な青年だけど、小説版の圭介は巻き込まれがた主人公によくいる
タイプというか、適度にまじめで適度に軽くてチャラくて適度に人を
信じやすくて適度に迂闊(笑)。途中でストーカーの恋人を殺しちゃ
った辺りでハピエンはないなとわかったのですが、最後はまさに
「そして誰もいなくなった」。誰も救われないなあ。
確かに今回のタイムリープした10人のうちR0からリープし続けて
きた風間と池田以外は本来の歴史では死ぬ運命だった人間で
それを風間達の介入で防ぎ、新しいリピート先でどうなるのかを見て
楽しむ退屈しのぎだったっていうのは結構面白かったけどね。
しかしドラマ版も同じ結末なのかなあ。確かにドラマの圭介も短気っぽい
し由子殺しちゃいそうなとこあるけど、年上の鮎美に対しては最初は
馬鹿にしつつも励ましたりゲス恋人から庇ったりでいい感じじゃない
ですか~ちょっとここだけ月9っぽいって思っちゃいましたよ。
できればハピエンがいいなあ。

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