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書籍・雑誌

歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」

いやー変わったお話でした!
推理好きの5人が自らが起こした殺人事件の謎解きクイズを出し合って、
ネット上で議論し合うという。
ただの推理クイズと違って、問題になる事件は全てその時の出題者が実際に
起こしたものという倫理観?はて?みたいな。 
密室やアリバイトリックだったりミッシングリンクだったり(犯人当てはない。
出題者=犯人だから)色々あるんで、推理クイズ集を読んでるようでも
あり、ただ「使いたいトリックがあったから」という楽しさだけで人を殺して
いく彼らのというぶっ飛んだ思想に気が遠くなったりもしたり。
最後の事件の意外性良かったな。いつかはこんな問題来るんじゃないかと
思ってたけど。
これ続編があるんだね。全然調べてないけど、登場人物同じなのかな。

成田良悟「デュラララ!!!」

友人から全13巻+外伝3冊セットで頂いてしまった「デュラララ」。
完投しました!アニメは全話見てたので、おおまかな話の流れは知って
るものの、何せ群像劇なので登場人物が多くて!アニメ視聴時は後半割と
頭こんがらがっちゃってたんですけど、小説読んでそのあたりがなんとなく
整理できた気もします。
いやー罪歌編くらいまでは理解してるんだけど、青葉とかろっちーとか
写楽さんたちとか出てくるとちょっと人間関係自信なくなってましたわ…w

しかしこれだけキャラがたくさんいてもメインの登場人物の誰に感情移入
したかっていうと、正直誰にもできないっていうね!一番理解できなかった
のが主人公格である帝人なんだけども。杏里は感情移入はできないけど理解は
できる、正臣はまぁ後半は後半は理解できるって感じかな。セルティとか
ドタチンみたいな常識人はわかりやすくて好きでした。
帝人の歪みたる日常と非日常の波打ち際に居続けたいっていう衝動が巻き
起こすブルースフィアやヤクザも巻き込んだ大騒動は、ほんとお前何が
したいんだよ!ってなりますけどw
でも化け物と言われ続けたシズちゃんが人と関わり続けたおかげで得た、自分の
力を肯定する認識、守るための力の使い方の獲得が終盤の臨也戦への積み
重ねになっていくのは良かったな。
っていうか改めて読むと本当にシズちゃん天使だなー。
シズちゃんよく「こんな俺」みたいに言うけど、トムさんにも幽にも
セルティもヴァローナも茜ちゃんも折原姉妹もみんなに愛されてるじゃん
ねえ。個人的にはアニメよりヴァローナの心情わかりやすくて、
静茜も静ヴァロもいいんじゃないかと!幸せにおなり、シズちゃん。

で、外伝というかスピンオフは本編後の臨也を主人公にした話なんですが、
単にお話として言えばこっちの方が全っ然読みやすいですw
本編はとにかくキャラ小説に近いので、多数の頭のぶっ飛んだキャラが読み手の
常識の範囲での予測を斜め上に超えて振り回され、疲れてしまうんですよね。
やっぱりお話のお約束、感情移入の流れってあるじゃないですか。上にも書いた
けど、どのキャラにも感情移入も言動の根拠も見つけられないまま読むの、結構
疲れますわw
一方こちらは臨也以外は凡百の私たちと同じ人間だから考えることも理解でき
るし、ぶっちゃけ臨也無双なので非常にわかりやすいんですよね。ま、登場キャラ
達のキャラが立ちすぎてるってのもいいことばかりじゃないですよねっていう。
作者さんがあとがきで天敵がいるせいで制限のあった池袋から出した
余裕綽々な臨也がときどき池袋での、シズちゃんのことを思い出して、つい
反応してしまうの心地よかったです。でも人との繋がりでシズちゃんが化け物で
なくなったことを、自分の敗北だと自覚してるもは意外でした。何にせよ、
臨也にとっていつまでもシズちゃんのことは喉に引っかかった魚の小骨みたいに
引っかかり続ける存在なんだなぁ。

キャサリン・ライアン・ハワード「遭難信号」

Twitterでよく読む本を探すときに使う「読了」タグで流れてきた本作。
海外出張に行った先で音信不通になった恋人の行方を追う主人公の男性が
恋人の乗った豪華客船と海洋法が絡む謎に挑む。

この船が船籍を置く国に捜査権があるという海洋法が今回の事件の発端。
アダムがサラを追い続ける序盤が少し冗長というか、ひたすら鬱々したり
警察や友人に相手にされなかったりでテンポが少し悪く感じるんだけど、
ピーターが出てきてサラの失踪に組織だった背景の存在が感じられるよう
になるとグイグイ読んじゃいましたね。
あとアダムの視点とは別に、クルーズの清掃員のコリーンとサイコパスな
少年ロマンのエピソードが挿入されて最後の方に話が繋がってくるんです
けど、ロマンの話面白いけど別にこのアダムの物語になくても良かった
気もする。
結局はピーターが自分の元を離れたエステルをクルーズ船で殺されたと
信じ、船にFBIの捜査を介入させるために新たな事件を起こそうとして
偶然選ばれたのがサラだったという悲劇なんだけど、最後のエステルと
アダムのやりとりはまだ救いがあったね。っていうかベッキーはピーターが
あんなにおかしくなるくらいになってるんだから、エステルの生存を
教えてあげなよ~。

有栖川有栖「こうして誰もいなくなった」

有栖川有栖の短編集。ミステリに限らずホラー、ファンタジー、ブラックユーモアと
内容も長さも様々。

個人的に面白かったのは書店の店長が店内で起こる不思議な現象を解き明かす日常系
ミステリ「本と謎の日々」、ラストが効いている「劇的な幕切れ」、それにやはり
ミステリ心が刺激される表題作の「こうして誰もいなくなった」ですね!
あとがきで有栖川先生が全作解説してくれてるのもいい。

それと改めて思ったんですけど、私「不思議の国のアリス」はテニエルの絵も
ディズニーのキャラもアリスモチーフもすっごく可愛くて好きなんだけど、アリス系の
お話そのものはあまり、というか何もしてない人が理不尽な目に遭ったり割り切れ
ない不条理物ってあまり得意じゃないんだなあ。だからこそ、すべてつじつまが合う
ロジックミステリが好きなのかもな。

伊坂幸太郎「残り全部バケーション」

反省なんですけど、伊坂幸太郎の中編連作小説を時間を空けて
読むのよくないですよね…。伏線とか全部忘れちゃうよ。
特に今回の小説はメインは溝口と岡田っていう二人の裏稼業の
男を中心とした連作で、でも時系列はバラバラで岡田の少年時代の
話が真ん中らへんで突然入ってたりもするんで、ちゃんと覚えて
「ここで出てきた男、実はあいつでは?」とか察しながら読んでいか
ないと、ぽかーん、なんですよね。
まあ、個々の話も独立して面白いからいいっちゃいいんですけど。
でも溝口、そんな岡田のこと思ってた?っていうのもあるし、結末が
読者の想像にお任せしますって露骨なのもちょっと…とは思う。

しかし少年時代の岡田と最初に出てきた岡田、あんまりイメージ
繋がらないなあ。

志駕晃「スマホを落としただけなのに」

先に映画のCMで見たのですが、その後偶然友人からの定期便に原作本が
入ってた(笑)。
主人公の恋人のスマホを拾ったのは悪質なクラッカー。彼のスマホのから
個人情報やSNSのログインパスワードなどが次々と抜き取られ、ヒロイン
にも危険の手が迫る。
TVCMで見たときは「スマホ落としただけっちゅーても、SNSとかで
個人情報バレバレの自撮りとかしてるんだろー」って思ってたけど、彼女
自身は訳あってそのへんのセキュリティ意識は比較的高め。比較的、だけど。
でも繋がってる彼氏の方が誕生日をパスワードにしてたりとゆるゆるだった
のが致命的だよなぁ。彼氏に裸の写真撮らせてあげたりさ。
読んでる途中で一度映画のサイトを見にいってキャスティングをふむふむと
確認して、終盤でもう一回「あれ、この人がこれやるんだよね…?」って
確認しに行きました(笑)。

三浦しをん「風が強く吹いている」

アニメに触発されて買った原作である本作。めっちゃ面白かった!
10人のキャラクター全員が本当に魅力的で、中でも強靭な精神力と箱根駅伝へ
の情熱で素人集団を率いるハイジと天性の走りの才能で一行を先導する走の、
互いが互いの光みたいな関係性が素敵でした。
最後の駅伝シーンでは涙ぐんでしまった…。
素人集団が駅伝の華「箱根駅伝」に挑むなんてただの夢物語に聞こえるけど、
記録会や予選会、公式記録のこともきちんと調べられていて、そういうリアリティが
底にあった上でのやはり素敵な夢物語だったと思います。

先行してアニメを見てたんですが結構アニメオリジナルシーン多いのなー!
神童くんのキングさん説得とかHP作るところとかハイジさんがニコちゃん先輩に
お手製お弁当持って追いかけるところとかあのへんオリジナルみたいだし、ハイジ
さんが過労で倒れちゃうタイミングも少し違うけど、正直原作もアニメもどちらも
良くて2倍楽しめた気がしてます。
でもアニメではハイジさんの走の疾走を見る瞳の輝き、意志の強さと本心を巧妙に
隠した声と芝居(CV豊永さん)、走のハイジさんを見る目の柔らかさとかで
表現されてたのが、「この世に幸福や美や善なるものがあるとしたらこの男の
形をしている」「ハイジの言葉は暗く揺蕩う走の胸を一閃して照らす光」とか
めっちゃえもく直接的かつ詩的に表現してくるんで、なんかこう原作は物理攻撃
で胸をグサグサ刺してくる感はありますな(笑)。
しかしハイジさん普通に単位取って学生生活しつつ故障が完治してない脚を
抱えながらの選手としての練習・素人集団のコーチ・全体の戦略考える監督・
10人分の栄養管理ばっちりの朝夕ご飯づくりまでしてて凄いよ。
大学に陸上部がないのに1年の頃から「いつかメンバーが10人に達したら
駅伝に出てくれるかもしれない人たち」のために毎日朝夕ご飯を作り続けてきた
執念と来たら。来るべき時に栄養の行き届いた体が出来上がってるようにってさ。
胃袋掴まれてるってレベルじゃない。
アオタケの支配者はハイジさんで総合戦略考えられるのも彼だけなんだけど、
ユキさんは戦術なら考えられるから(アニオリだけど、ユキと神童が公式記録出した
大会の作戦考えたり)参謀役だし、ついでに後方実務が神童くんって感じ。
あとユキさん神童くんが彼女に振られたの察したり走の親との話を聞いてあげたり
ハイジさんの目が届かない分野をフォローしてるし、ハイジさんが過労で倒れた
とき周りに指示出したりで、やっぱ副キャプテン的存在だなあ。
ニコチャン先輩は相談役。
駅伝のシーンは本当に走っているときの走者のモノローグも、前後のスタート地点
での付き添い人とのやりとりも全部丸々最高。
特に王子とハイジさんの走った前後のやりとり「すまない」じゃなくて「ありがとう」
に訂正したハイジさんに「合格」の王子!運動が誰より苦手だった王子の静かな奮闘と
成長には涙してしまうよ。ハイジさんにとって走りの理想を体現してるのは走だけど、
一度故障で陸上から距離を置いた彼がまた一から走り始めるに当たって走ることの
意味を教えてくれたのは王子だったんじゃないかなあ。
あとユキ先輩と神童くん!!一人でも脱落したら棄権になってしまうメンバー数ぎり
ぎりの寛政大なのに「本当に辛かったら棄権してくれ」と最後の最後に言わずにいら
れなかったユキ先輩と、翌日ユキ先輩の付き添いとしてユキのために心を尽くして
世話をした神童くんの関係性な。ニコチャン先輩がハイジは本当によく人を見ていて
区間起用も前後の人間の関係性を考慮して選んでるって言ってたけど、絶対付添人も
そうだからね。神童くんとムサの絆もいいけど、皮肉屋なユキが素直になれるのも相手
が神童くんだからだよなあ。そして応援に来た家族を見てユキの心のわだかまりが解け、
「雪もいま、完全に雨になった」って彼の心情と風景描写を重ねるのも素晴らしかった。
あとキングが「ハイジの一番の友人と思われていない」ことを気にしてたのちょっと
意外だったな。でもキングの挙げた組み合わせだとハイジは走が来るまでは一人だった
んじゃないかって思うけど、まああの人も誰とでも適度にやっていけそうではあるから
なあ。
走ることは孤独だけど、一人じゃない。同じ時間・場所を走ってる全ての走者が平等で
いられる場所であって、繋がっている。
今からアニメで箱根駅伝のシーン見るの楽しみだなー。林ゆうきさんの
音楽で感動爆上げなの間違いないだろうし。

土橋真二郎「殺戮ゲームの館」

デスゲーム系小説読むぞシリーズ。まだ続いていた!
そう名前は出してないけど、人狼ゲームですね。
とある大学のサークルメンバーが気づいたら屋敷に監禁され、
謎のルールに従わされる。それはメンバーの中にいる「魔物」
により朝を迎えるたびに一人また一人と殺されていくというもの。
魔物が誰かを突き止め剣を持つ村人が倒すか、村人の数が2人
まで減るかどちらかまでそのゲームは続く。
夜は魔物の出歩く時間、昼は人間が誰が魔物かを議論する時間。
密室の中で続く殺人を食い止めることはできるのか。
最初はわけもわからず殺されていく感じなんですが、個室に
入る順番や全員が束縛された状態で話し合う井戸のシステムに
ついては結構面白かったし、議論の流れを思うように操る藍は
凄かったですね。まあ彼女のラストはそうなるんだろうなと思う
ところはありましたが。
そして犯人が誰かはわりとわかりやすいね。重要なポジションに
いながら全然目立つ行動しないのが逆に怪しかったし。
でもさ、やっぱ福永は亜美は合わないよ。藍みたいなまず自分を
最優先にする冷静さとそれを可能にする知能を持ちながら、その
次に好きな人を助けるくらいの割り切り持った人間の方が、全然
福永自身の思考に近いじゃんね。お前はそういう男だよ…。
そして私も心のない人間だから福永や藍みたいな考え方の方が
性に合うなー。

藤ダリオ「放課後デッド×アライブ」

デスゲーム系小説読むぞシリーズ。
高校生のとある1クラスが学校内に監禁されて、命を懸けた生き残りの
ゲームをさせられる。序盤が冗長だった部分をもっとカットすれば、
わりと各種のゲームそのものはいまいちでも必勝法の見つけ方とかは
面白かった気がする。ラストもトンデモ展開だったけどまあ思い切ったね!
もうちょっとキャラに感情移入できればいいんだけど、まあガンガン人が
死んでいくデスゲーム系で感情移入ってあんまりしにくいんだけどね。
ヒロインとほぼ恋愛関係みたいになるし。
最初は空気読めない脳筋の相棒だった女子が終盤のやりとりで急に
株を上げてきて、何となく好きっぽくなるのも主人公と二人で新しい
世界でのアダムとイブになるためなんだろうなー。

スティーヴン キング「バトルランナー」

スティーヴン キングがリチャード・バックマンという別名義で
書いた小説。病気の娘を助けるため、賞金を懸けてハンターたち
から命がけで逃げるゲーム「ランニングマン」に参加することに
なったリチャードの逃走劇を描く。
シュワルツェネッガーの主演した映画とは色々設定や登場人物
などが違うようです。この小説だと、結構ぐろかったり主人公を
助けようとした人が死んじゃったり、なかなかシンプルな娯楽
作品に仕上げられなそうだしなあ。
ま、生き残らなかったね!主催者のビルに飛行機ごと突っ込んで
相打ち(一応協力してくれた女性は避難させ済み)ってのは、
最近の日本のデスゲーム物にある、主人公は生き残るけど強大な
力を持った主催者側のことはぼんやり謎(金持ちの好事家の余興)
のまま終わるけど、これは一応決着ついたね。まあ死んじゃった
けどさ主人公も。でも途中で妻子もとっくに死んでたってわかった
し、もう主人公としては生きる意味ないし、せめて最後に敵に一矢
報いたいって気持ちにもなるよね。
小説の中できっちりケリがついてるので、これはこれで潔くて
いいなと思ってます。
アメリアとの関係は、いわゆるストックホルム症候群のようなもの
だったのかもしれないけど、お互いにお互いを気遣う思いがあったし、
地獄を見た彼女ももう元の生活には戻れないだろうけど、命だけでも
助かったのは救いだね。

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